このところ村上春樹作品に何度目かにハマっていて、昨夏に苦手としていた“ノルウェー…”が初版以来足かけ二十数年、3度目にしてやっと腹に落ちたところ。
これまでは羊…やダンス…くらい迄の好きな作品を何度も読み返してきたのだが、やっと僕にとっての“新作”に手を出し始めたというわけ。
でその一冊目は名作との噂を聞き及ぶ一冊を短期集中で読んでみる。

ん~。。。
すみません、僕には解読不能でありました。
それまでとは文体が変わったようにも思えたし、主人公が“僕”とされる青年でなかったり、設定についていけない場面が数度。
“ノルウェー…”同様3回目くらいにしてやっと腹に落ちてくるのでしょう。
それはそれでまた読む機会が楽しみだけど。
彼の本を読む時には情景を丁寧に頭に思い浮かべる作業をしながら、頭の中で声を出して読むかのようにゆっくり読むわけですが、想像力を担う右脳がどうもついていけてない…
というか一番大切な場面が頭に描けぬままに終わってしまったのである。
ただ出てくる音楽には奇跡が起こった。
本の中で長らく流れていた“百万ドルトリオ”(ルービンシュタイン・ハイフェッツ・ファイアマン)の幻みたいな3人によるベートーヴェンの大公(ピアノ三重奏)はちょうどその週末に実家のCDを漁って見つけて聴き入っていた後だった。
このブログのプロフィールに(ちょっとおこがましいけど)“尊敬している”と書いているルービンシュタインとハイフェッツの大好きな二人が村上ワールドに登場して少し嬉しかった。

それから大事な場面では大好きなコルトレーンのmy favorite thingsの登場には鳥肌が立った。
ちょうどその日、そのくだりを読む寸前にその曲を聴いていたのだ。
この本を集中して読み続けて頭がの中がモヤモヤとした雰囲気がその曲を聴こうと思わせたのかなんなのか、なんかそんな雰囲気だった。
小説の中で流れる空気が音楽を選んで聴かせることってあるんだな~。。。
と感慨に浸ってしまったのがこの本の一回目の感想なのでありました。