亡くなった両親の祖父母も暮らし、親戚のほとんどが暮らす京都は子供の頃盆や正月に帰省するのが楽しみで仕方がなかった。
まだ市内を縦横無尽に走っていた市電に乗ってスイミングスクールに通ったり、盆の送り火の日に大文字山に登ったり、少年時代の思い出は数多い。
大人になって彼女ができると必ず京都に連れていっては観光客が少ない大好きなお寺にいったり、植物園の近くのお気に入りの桜の木下で賀茂川の川面を見ているだけで幸せだった。
そんな京都も祖父母が他界してからは帰省や観光という名目で行くことが少なくなってしまった。
このところ年に2回くらいの頻度で行ってるものの、その目的は意図しない別れや法事に限られ、そのついでに時間があれば好きなお寺やお店に顔を出して心落ち着ける程度になってしまった。
そして僕は明日も京都に向かうのだ。