なんだかバブル期の優雅な臭いがしてくるお題目。
お題目からして涼しそう。
あまりの暑さに涼しげな光景を想像してみたら、やたらと古いものが頭の引出しから出てきた。。。
学生時代にホテルでアルバイトをしていて、夏になるとガーデンプールのシフトがあった。
ふむふむ、なかなか涼しげな光景ではないか。。。
実はこれ、支給された短パンとアロハシャツで軽食と飲み物をプールサイドのお客様に運ぶだけ。
しかもドリンク飲み放題のゆる~いバイトだった。
たまにはキレイなお姉さまもおいでで、バイト仲間の一人がお姉さまに誘われたという噂があって、このバイトにいく日はゴキゲンだったのを覚えている。
ホテルのプールのパスはやたらと高いのであまり混んでなくて、お金持ちの奥様や、夕方からの接待だけがお仕事みたいな旦那様、それにキレイなCAのお姉さまの水着姿は実に眩しかった。
でも、たまには困るお客様もおいでになられる。
黒いTシャツを召されたままの殿方がキレイなお姉さまとプールでやらしく戯れる様に水浴びを楽しんでいて、目のやり場に困ることもある。
“プールには水着以外の着衣で入らないでください”
入口の注意書きの3番目に書いてあるのにも関わらず。
するとアロハシャツを着た黒服(?)が私に…
『注意してきてっ!』
学生アルバイトの身、仕方なくお客様に近寄ってお願いするのであります。
『お客様~!お召し物を着たままプールに入られるのはご遠慮頂けないでしょうか?』
するとTシャツをお召しのお客様は、プールの中でTシャツを胸の辺りまでたくしあげ、背中を私に向けてお姉さまへとは違う声質で一言…
『ホントに脱いでもいいのかよっ!兄ちゃんっ!』
あっちゃ~、捨てぜりふ的なものと同時にそのお背中を見せられた瞬間、頭の中にはとある時代劇の一幕が…
北町奉行に連れてこられてすっとぼけてたら、
『おぅおぅおぅ!この桜吹雪に見覚えがねぇとは言わせね~ぜっ!』
でっ!でた~!!
遠山の金さん!
右肩の桜吹雪を見せつけられ、ぐうの音も出なくなってしまう悪党の気持ちが時代を超え、テレビを超えて理解できてしまったのでありました。
ぞゎ~~~
それにしても入口の注意書きの一番下には
“刺青のお客様の入場は固くお断りします”
と書いてあるんだけど、誰がチェックして誰が断るんだろう…。
言えることは学生のアルバイト君の仕事ではないということだけか。。。
プールサイドの涼しさだけではない変な涼しさ…、いや寒気を思い出し、若干体感温度が下がった午後の移動の弱冷房車なのでありました。。。