自分の小遣いで最初に買ったレコード・CDを思い出していた。
欲しいと思うレコードは家にあった恵まれた環境だったのであまり
買う機会が無くてよく思い出せないが、レコードは確かジョン・トラ
ボルタの映画”グリース”のサントラだった、と思う。
オリビア・ニュートン・ジョンがそれはそれは可愛いくて、映画の帰
りに勢いで買った記憶があるが、何度もの引越しで行方不明。
CDはというと、中学生の頃に家にCDプレーヤーなるものがやって
きて、なにか買うべしとレコード屋に行ってマンハッタン・トランスファ
ーのベストを買ったのを覚えている。
今だに年に数回は聞く名盤。
それにしても中学生にしてなんと渋くてセンスのいい選択なのかと
今にして感心している。
昨夏、パソコンがクラッシュ。
リカバリがうまくいってパソコンの買い替えの危機は脱したものの、
ネットからダウンロードした音楽が一切合財消えてしまった。
ituneやら何やらで購入した総額2万円くらいが消えてなくなってし
まったのである。
ダウンロードした曲はclubで流れてそうな流行の音楽やら、試聴を
兼ねてのラテン・ボサノバやスチールドラムやらの民族チックな音楽
がほとんどで、どうしても手元に残しておきたかった物ではないので
いいものの、なんだかすごく損した気分を味わった。
ただ、失ったものの形がないため、ジャケットのデザインも覚えていな
ければ購入した時期やきっかけすら覚えてなくて、全く愛着がわいて
いないのがなんとも不思議。
レコードからCDへの移行期はレコードのジャケットの大きさからイン
テリア的な要素や質感が損なわれてしまうと揶揄されていたが、10
回くらい聴くと音が割れてきて、そのうち聴くに耐えない音になってくる
のが欠点。
その点CDは何回聞いても音質が衰えない部分にはかなわない。
父親が大切にしているレコードを聴く度に”正”の字を書いていたのを
思い出す。
これまで集めたCDは400を超えた。
自分が持っている曲を街中で聴くと、CDのジャケットと買った頃の
光景や背景を思い出す。
よく読んでいた作家や雑誌、遊び場や冬に毎週のように行っていた
スキーに行く途中の車中やスキー場。。。
宝物
CDは大切な宝物の一つだが、形の無い宝物は思い出だけでいい。