食事をしに出掛けたホテルのエレベータで感心した出来事。
日比谷公園の前にある老舗ホテルでごく稀に食事をするのだが、その日は少し上等のスーツにネクタイ、自慢の茶色のローファーを履いていた。
ロビーフロアからエレベータに乗ったところで外国人の客を二人連れたベルボーイが乗ってきて『ご一緒させて頂きます』と。
しばらく、そのベルは流暢な英語で連れのお客と会話したあと会話が途切れ、少しの沈黙のあと私に言った。
『素敵な色のローファーですね?』
身に付けてる物で一番のお気に入りにも関わらず誰にも褒められたことがないローファー。
あなたは私がこの色に一目惚れして清水の舞台から飛び降りるつもりでこの靴を買ったのを知っているのか、と。
天性のセンスなのか、教育されているのか、とにかく感心した後の食事はいつもより美味しかった気がする。
チームプレー
料理人だけが料理を美味しくする訳ではない。
食事はそんなことでも美味しくなる。
なんだか、そんなチームプレー、素敵だ。