空間のあるじ
星川ミサオ(演・入野愛結)と遊園地の客(演・Uncredit)
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おおざっぱでもないあらすじ(金田龍監督/田口恵脚本)
今回は白銀の魔戒騎士ゼロの話ということで、トップクレジットは小西遼生じゃなく藤田玲。
零はいきなり女子高校生ミサオに剣を構える。
零が彼女を斬れるかどうか、シルヴァは案じる。
かつてホラーの返り血を浴びたカオルを執拗に狙った零だが、彼女にいったい何が…?
ほんのちょっと昔のこと。
ミサオは母敏子に追われていた。
敏子を振り切って車道に飛び出したところに、前方不注意の車が突っ込んできた。
敏子は立ちすくむミサオを突き飛ばし、代わりにボンネットに跳ね上げられた。
衝撃で車も側壁に突っ込んで炎上…敏子と運転手はともに絶命した。
指令書を受け取って間もないのにこの惨劇…零とシルヴァは困惑する。
ゲートが開いたのは間違いない。
敏子と運転手、そして気絶したミサオ…ホラーに食われたのは誰だ?

零はお気に入りのパティスリーに行くが、珍しい臨時休業だった。
シルヴァは甘党の肩透かしをからかうが、零は嫌な予感を感じつつ女子高に向かう。
突然のイケメン訪問に、下校中の女の子達はきゃあきゃあになる。
零は一目散にミサオを探り当てた。
ミサオもちょっと考えて、零のことを思い出した。
いつもの表面上お調子者モードで、零はミサオにまとわりつく。
駆け寄る警備員に兄妹ってことにして、零はミサオの手を引いていく。
超いいなモードの学校を颯爽と立ち去り、零はパティスリーの件を尋ねる。
ミサオは事故の件を言い淀む。
まあいいや、零はミサオほったらかしで先を急ぐ。
ミサオはクレープ4個をがっつく零に追いついた。
パティスリーのストロベリータルトを食い損ねたやけ食いだと。
零はクレープを差し出すが、ミサオはしばし躊躇する。
半ば強引に薦めて、ようやくミサオは受け取って笑顔になった。
相変わらずな零の激甘党ぶりに、ミサオの笑顔がはじけた…。
2人はしばし公園でくつろぐ。
だが、ベンチに寝転がったミサオの二の腕には傷があった。
零はミサオが枕にしたバッグの中身を問う。
パティシエの道具…
敏子の跡を継ぐのだろうと零が問うと、ミサオは曇った笑顔で頷く。
違う夢をミサオが描いていると零は見切った。
ミサオは「みんなが笑顔になる仕事」がしたい。
しかし、何ができるかわからない。
敏子の言いつけを守って、パティシエを目指させられている。
「夢っていうのは、誰かのためにあるんじゃない」
零の一言を受けても、ミサオは母の指図から逃れられない。
「みんなの笑顔の前に、自分の笑顔のことも考えたっていいんだぜ」
もう零にうわべのへらへら加減は微塵も残っていなかった。
再会を約束して、零はミサオを見送った。
ミサオが去った公園に残り、シルヴァは零の覚悟を問いただす。
破滅の刻印の激痛に耐え、零は魔戒騎士ゼロの使命を噛み締める。

一方、帰宅したミサオは、部屋に上がるのを躊躇する。
それでも、意を決して作り笑顔でただいまを告げる。
帰りが遅い理由を問われたミサオが言い淀むや、敏子の態度が急変する。
勝手に寄り道したミサオに癇癪を起こし、パティシエ道具を床に叩きつける。
ミサオに掴みかかった敏子は、一流パティシエールの嗅覚で秘密を探り当てた。
味覚を狂わすジャンクを食うなと日頃から言いつけていたのに
…だから零の差し出すクレープに躊躇したわけだ。
頬や二の腕を握り潰し、首を絞めて壁に叩きつけ、敏子はミサオを責め立てる。
床に倒れこんだミサオに敏子が覆いかぶさる。
謝罪の言葉を聞き届けるや、敏子は途端に上機嫌に戻る。
「あなたは私の言うことを聞いてればいいの」
微動だにできないミサオの足先から太腿をなぞり上げ、敏子は乱れた裾を直す。
私のミサオ…
虐待+過干渉+同性愛+近親愛…やばすぎますようこさん…凛々しいスワン姉さんと真逆。
敏子はミサオに寄り添い、夜逃げを口外する。
零ともこれきり…手を握られたミサオは抗えなかった。
「永遠のお別れを言うのよ、あの場所で」
了承したミサオを敏子は優しく撫で付ける…。
零が踏み込んだ時は、夜逃げ決行後だった。
ただ、玄関先に残された布バッグを零は手にする。
捜索する零のバイクの行く先に、ミサオは待ち受けていた。
がるるるるるっ!
ミサオに先導され、零は「あの場所」にたどり着く。
野田のもりのゆうえんちときたか…。

それはもっと昔のこと。
ゆうえんちに入れずに、ミサオは正門前で佇んでいた。
はしゃぐ男の子に押し倒され、こぼれたパティシエ道具を拾っている正面に犬が現れた。
不意に走り去った犬を追いかけて、ミサオは車道に飛び出した。
迫る車に気づいた零は、ミサオを抱き上げて車を軽々と飛び越えた。
パティシエ道具を拾いながら、零はミサオと親しくなる。
ミサオはパティスリーに零を招く。
その頃から、敏子はミサオにねっとりと張りついていた。
事故寸前の事情を聞くや、敏子は念入りにミサオの体を検分し、身だしなみを整える。
ひとしきり身体検査を終えた敏子は、零にストロベリータルトを振る舞う。
実は当時の零は甘いのが苦手だったのだが…
ミサオの訴える目に負けた零は一念発起し…何かが降りてきたらしい。
…………
改めて、ミサオは零に感謝する。
あの時入りたかった遊園地、ミサオは閉園時間を過ぎた正門の扉を開く。
今度も自らの意思ではなく…。
ひとしきりイルミネーションを眺めて回ったミサオに零は改めて対峙する。
零はケーキにありつこうと思って再訪したのではない。
「君は無事か? 君は幸せか? それを確かめに来た」
確認した零は、ミサオを地獄から解放するために剣を抜いた。
ここで冒頭に戻ると。

もれなく敏子がついてきた。
別れをミサオに促す敏子の前に、ミサオが立ちはだかる。
ミサオは敏子がホラー・ヤシャウルに食われたことを知っている。
事故の直後、敏子と運転手を食ったヤシャウルは、ミサオの前で敏子に擬態した。
ミサオが逃亡を図らなければ、敏子は車の前に飛び出すことはなかった。
…とミサオは自らを責めていた。
泣き崩れるミサオを抱き潰し、敏子はミサオの目こぼしを懇願する。
了承した零は敏子に駆け寄るが、ミサオは身を挺して止める。
どんな人でもたった一人のお母さん、私も殺して。
立ちはだかるミサオに、零は不意打ちの鳩尾を突く。
ベンチに寝かせ、ミサオの情をネタに挑発するヤシャウルに斬りかかる。
組み合ったヤシャウルは、零の仕事を「人の絆を断ち切る」と嘲笑う。
零は動じずに攻め立てる。
零に腹芸が通じないと悟ったヤシャウルはホラーの姿に戻る。
跳びかかる零に馬乗りとなって地面に打ち付ける。
チョークから遠投された零だが、あの時のミサオの笑顔を思い出して立ち上がる。
ヤシャウルの鎌と打ち合い、弾き返す。
そして白銀の鎧召還!
間合を詰めてゼロの一閃。
間合を取ってヤシャウルは笑うが、その背にはゼロの剣が刺さっていた。
ゼロが剣を抜くと、ヤシャウルは敏子の姿に戻っていった。
タルトの礼を告げる零の言葉を意に介さず、敏子はミサオの名を呼びながら命尽きた。

目覚めたミサオに零は肩身のペンダントを捧げる。
握り締めて泣きじゃくるミサオの肩に零は手を置く。
「ありがとう」と言いつつ、ミサオは零の手に触れるが、不意に払い落とす。
「私はあなたを一生許さない!」
零を睨み据えてミサオは振り返り、自らを抱きしめて泣き崩れた。
二の腕の傷は、敏子の虐待ではなく、自ら力いっぱい抱きしめてできたものだった…。
立ち去る零をシルヴァは慰める。
だが、零はあの子の笑顔を守れたことで晴れ晴れとしていた。
困惑するシルヴァに零は一言付け加える。
「あの子の未来の笑顔さ…」

空間の詳細
出会い回想シーンで空間発動。零がミサオを抱いたまま着地して立たせるまでの間、姫抱っこのスカートの中がばっちり見える。もちろん2010年代作品なので黒スパだけど。それから突き飛ばされた直後に道具を疲労カットでも、三角形の頂点が見切れている。
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…だけじゃない。
ミサオが突き飛ばされて倒れるカットで、背後のお客2組が本物の白いものを発動している。パパとママにぶら下がって人間ブランコしている親子がミサオの両サイドに2組。2組ともほぼ同時に発動しているので目移りして困る。右側の親子の方が見やすい。
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あるじのその他の分布地
ちっちゃい頃から活動していた子役。シスターギャルズの一員としてその筋では知られていた。ただし、公式ブログが小学校卒業直前の去年2月で止まっているので、この世界も卒業しちゃったのかな。