空間のあるじ
避難する人々(演・Uncredit)
イメージ 1
おおざっぱでもないあらすじ(実相寺昭雄監督/佐々木守脚本)
ノンマルト・怪獣使いと並び、ウルトラ三大鬱エピソードといわれるこの回もキモブログ入り。
今さらストーリーを追うよりも、え?パンチラあったっけ?と回想しながらお読みください。
ええ、白パンツじゃなくて重ね履きなんですけど…。

国際平和会議が東京で開催される。
それなのに、東京へ向かう空と海で事故が多発していた。
科特隊パリ本部から派遣されたアランは、日本支部員にレクチャーする。
この年に墜落・沈没したのは、すべて国際平和会議に参加する政府要人の専用機・専用船である。
国際平和会議を妨害する国の陰謀かもしれないとムラマツキャップは考える。
イデは怒りを覚える…平和を陰から崩そうとする卑怯者は誰だ?
スペクターとかQとかPLOとか赤い旅団とかバスク連合とか北朝鮮とかイスラエルとか
たくさんあると思うよ。
ところが、アランは地球上の国だけではなく、宇宙人の妨害工作もあり得ると考える。
なんとも先が見えない困った展開だが、やがて道が開ける事件が起きた。
東京でひき逃げ事故を起こした自動車とパトカーがチェイスしていた。
逃走車は国道1号から間道に逃げ込んで間もなく、パトカーの目前で爆破炎上した。
目前で事故を見た警邏隊員は、キャップ・ハヤタ・アラシ・アランを現場に案内する。
逃走車は見えない壁にぶつかったかのように突っ込んでいったという。
信じがたい証言だが、アランは本部での航空事故分析と一致することに気づいた。
見えない壁…半信半疑のキャップだが、身をもって知ることになる。
現場到着、アラシの運転で徐行しつつシボレーを進めるが、不意に押し止められた。
いくらアクセルを吹かしても進まない、アラシ自身が「壁」を感じた。
別の異音に気づいたハヤタが脱出を告げ、総員下車。
シボレーは爆発したが、爆炎は上空に昇っていく。
見えないロケットが正体だとしか言いようがない。
キャップは本部待機のイデ・フジに追撃を命じる。
ビートルは出撃したものの、見えないロケットとどう戦えっての…とイデは愚痴る。
フジもフジで電波探知機のサーチに夢中…ほら北北東13キロ。
空中活動なのに高度は指定なしですか?
何にせよ、本体が見えないロケットの噴煙が目視できた。
ビートルはレーザーで攻撃するが、どこに本体があるのやら。
しかも、見えないロケットも反撃の光線を放ってくる。
それにちょこまか動き回るらしい。
フジのナビゲーションもポイントがころころ変わるし。
見えないロケットにもフジにもきりきり舞のイデはてやんでぇ口調。
とうとう振り切られてしまった。
いったいどこからやって来たのだろうか…?

見えない理由はキャップが自転車のタイヤを使ってレクチャーする。
リムとハブを結節する無数のスポークは、停止状態なら明確に目視できる。
タイヤが高速で回れば、スポークは残像が潰れて目視できなくなる。
地球人の視覚情報処理能力を上回る高速振動をしているに違いない。
これを打ち破るには…なんかがイデに降りてきた。
それで戦術的には解決の糸口は見えてきたが、戦略的には進展なし…どこから来たのかは重要だ。
イデはステルスを打ち破る光線銃の開発に没頭する。
夜を徹して3種のスペクトル線光線銃が完成し、迎撃準備が完了した。
α線は光の屈折を自由に変え、β線は色彩吸収を妨げ、γ線は反射を制限する。
出撃した2機で潜伏先と思われる樹海に3種の光線を照射する。
地表近くにホバリングする円盤が燻り出された。
よろよろ逃げる円盤を嵩にかかって攻撃する。
円盤も光線で反撃するが、あっさり撃墜に成功する。
科特隊は森に降りて捜索する。
すると、ぶも~と吠えながら怪獣が立ち上がった。
アランは思わず「やっぱりジャミラ」と口走る。
科特隊がジャミラに肉薄すると、ジャミラは走って逃げ出した。
火気で攻め立てても、ジャミラはひたすら逃げ惑う。
嵩にかかる面々に反して、動かず嘆くアランの態度をフジは不思議がる。
ジャミラは火炎放射で目くらましすると、樹海の奥に消えていった。
…CM明けの夜…
キャップはアランにジャミラとは何者か問う。
パリ本部ではすでにジャミラの存在を予測していた。
ジャミラは突然変異した地球人だ。
宇宙開発競争時代、某国の人間衛星が消息不明になったことがある。
そのアストロノートがジャミラだ。
某国は事故をひた隠しにし、ジャミラの存在はなかったことにされた。
キャップは続きを想像する。
漂流の末にジャミラが到達した星は、水も空気もなかった。
そんな星でのサバイバルの結果、あの姿に変わってしまった…のかもしれない。
そして、復讐のために帰ってきた…のかもしれない。
不意に、イデは戦意を捨てた。
過酷な生涯を送ってきた…かもしれないジャミラに引金は引けない。
イデも下手をすればジャミラの二の舞になりかねない。
だが、ジャミラが帰還したことで、平和会議が蹂躙されているのも事実。
現状維持のために犠牲もいとわないアラシとぶつかり合う。
どっちにも理があってしんみりする科特隊に、アランは本部の指令を伝える。
「ジャミラの正体を明かすことなく、宇宙怪獣として葬り去れ」
キャップの説得を受け、やりきれないイデは「馬鹿野郎」を叫ぶ。

翌日…
ジャミラは樹海から会場に向けて出発した。
防衛側は多数の火炎放射砲で迎え撃つ。
ジャミラは難なく炎の中を突っ切って歩み寄る。
どうやら耐火性は十分らしい。
というか、なぜ定番のミサイルをはしょっていきなり火炎放射ですか。
有効打のないまま、侵攻想定ルートの避難が急ピッチで進んでいた。
そんな一つの村で、避難民の流れを逆走する主婦がいた。
子供が村に戻ったという。
ジャミラは無人となったはずの村に火炎放射を浴びせかける。
煙に巻かれて力尽きた主婦の先に、ハヤタはアキラを発見した。
…て言うかお前メチャ太郎だろ。
ジャミラすら眼中にないアキラの救出にハヤタは飛び出す。
ジャミラが目前に迫る中、アキラは天袋の鳩小屋を開く。
…天袋に登る前に蹴散らした鶏とえらい待遇が違うじゃないか。
2羽リリースしたのと正反対に、キャッチした1羽をその場で愛で始める。
無警戒にもほどがある…ハヤタはアキラを抱えて走り出す。
一方、鉄砲玉ハヤタを案じて続行するイデはジャミラと対峙する。
地球人の心はもうジャミラにはないのか。
よく見ればかわいいジャミラの顔と炎上する村のカットが交錯する。
だがそこまでだ。
時空間をはしょって、ジャミラは会場目前に迫った。

火が駄目なら水だ。
科特隊は高射砲で人工降雨弾を投射した。
ジャミラの頭上で炸裂した降雨弾がさっそくジャミラを濡らす。
ジャミラは濡れた体を拭いながら悶絶する。
やがてあっさりとジャミラは倒れ伏した。
地をのた打ち回るジャミラは、憎々しげな万国旗を睨み、にじり寄る。
アキラを解放したハヤタはベーターカプセルを点灯する。
万国旗を蹴散らすジャミラにウルトラマンの体当たり。
ジャミラとウルトラマンはくんずほぐれつ戦闘開始。
投げ合い締め合いは互角だが、マンは間合を取ってウルトラ水流を浴びせかける。
人工降雨とは比較にならない大水流を浴び、ジャミラは暴れまわる。
ばったり崩折れたジャミラは、ぬかるんだ大地を殴りつけながらのた打ち回る。
ぬかるみの中で悶えながら、叩き落とした万国旗に泥芥を浴びせる。
聞いちゃいられない慟哭を搾り出しつつ、憎々しげな星条旗に手を伸ばす。
星条旗を掠めて落ちたジャミラの手は、もう二度と上がらなかった。
キャップはジャミラに詫びる。
唯一の救いは…故郷の地球の土に還れたことだ。
イデは無言で十字架を見つめる。

平和会議の開催とともに、ジャミラの墓標が科特隊によって建てられた。
「人類の夢と科学の発展のために死んだ戦士の魂、ここに眠る」
嘘ではない…だが「なぜ死んだ」のか、イデは釈然としなかった。
美辞麗句で覆い隠される犠牲者の思いに、イデは墓標を去りがたい。
面々の呼び声に答えずに立ち尽くすイデの脳裏に、ジャミラの慟哭が聞こえた。


空間の詳細
避難シーンで空間発動。群集の先頭集団の中で見え隠れしながらこっちに逃げてくる女の子のワンピースが翻って、中の重ね履きがちらほら見える。

イメージ 2
あるじのその他の分布地
毎度毎度のことながら、エキストラじゃな。。。