空間のあるじ
及川みどり(演・梶山純子)
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おおざっぱでもないあらすじ(中川順夫監督/黒沼健脚本)
箱根の夜が明けた。
今さらながら勇と8823の出会い回想シーンからスタートしてこれまでのあらすじ紹介。
8823から勇に無線連絡があり、事件を警告してきた。
その事件とは…ということで、ようやく本編スタート。
みどりはご機嫌でお出かけの準備をする。
勇とユネスコ村にスタークラブから「子どもの集い」に招待された。
奥様に見送られて2ケツのスクーターがユネスコ村に向かう。
ん? 本物のユネスコ村は所沢にあったんじゃ?
湖畔に万国旗はためくユネスコ村があった。
到着した2人はピエロと蝶仮面の女に迎えられた。
みどりは女の指輪に魅せられる。
2人が去ったあと、さっそく女はピエロにターゲットを紹介する。
こどもの集いという偽装イベントはここまで。
女は仮面を取って一服を始める。
…先週見たような気がする女だな…。
一方、だまされたとは知らない2人は各国の再現民家を見物する。
勇くん、さりげなく「国際村」と本名を言ってます…1975年閉園か…。
みどりは誰もいないことに気づくが、勇は暢気に一番乗りと考える。
2組目は来ません…。
と思ったら、塙さんが暢気に一服していた。
事務所の所用で着ていた塙さんだが、イベントのことは知らなかった。
塙さんは2人を案内する。

その頃、及川博士は帰宅した。
先に立ち寄った研究所に異変はなかった。
同じ事件が続きそうで気になって仕方ない。
一方、何もないユネスコ村では、何も起こらずに時間だけが流れていた。
塙さんは2人に帰宅を促す。
ふと気づくと、3人ばかり通せんぼしていた。
嫌な空気に勇はとんぼ返りする。
やっぱり3人は追ってくる。
不安を覚えるみどりを勇は励ますが、いったい何がなんだか…。
その行く手にも3人現れた。
挟まれた…いざという時は塙さんの合気道が頼りだ。
にじり寄る6人に勇は目的を問う。
仕切る団員はあっさり「俺たちの邪魔をしないように…」と。
勇には心当たりが少しもない。
後ろの団員は塙さんを「兄弟の仇」と指名する。
塙さんにも心当たりはないが、先週ごろんごろん落ちていった奴も忘れましたか?
ところが、突っかかった団員があっさり事件を蒸し返してぴんと来た。
ならば容赦なしだ。
塙さんが飛び掛るうちに、勇はみどりの手を引いて駆け下りる。
みどりが転び、勇が抱き起こすうちに追っ手が迫る。
塙さんが身を挺して追っ手をなぎ払う。
1人を転がし、2人目の腕を逆に取って打ち払う。
しかし、その隙に勇とみどりが追い立てられる。
土手の際で追いついた塙さんがむしり取る。
斜面を利用して1人をかわすと、もんどり打って転げ落ちる。
しかし、次のパンチが顔に入り、塙さんも倒れる。
2人がかりで起こされて、土手の下まで落とされる。
追っ手は勇とみどりそっちのけで、塙さんを袋にしようと駆け下りる。
おもむろに勇はポケットから笛を出す。
長笛二声…本物8823召還。
塙さんを取り囲んだ追っ手は呆然と立ち尽くす。
かたかたかたかたかたかたかた…
ワンテンポ遅れて、追っ手はばたばた倒れてしまった。
どうなったのやら…塙さんも立ち上がって呆然とする。
8823はホルスターに銃を収めて勇に歩み寄る。
神経がしびれる程度の電子銃…10年後にはすでに笑い物だが。
2人の無事を確認して、8823は塙さんに手を振って芦ノ湖に帰っていった。
いや、肩ぐらい貸してやれよ…。
初のご対面に塙さんは首をかしげる。
第2部のめっちゃ親しい間柄がこんなあっさり風味で始まろうとは…。
芦ノ湖に去る8823の航跡を見下ろし、女は失敗を悟る。

その夜の及川家。
博士は8823と勇の関係を知りたがる。
勇が笛を見せると、みどりが横取りして吹こうとする。
そりゃ吹いてみたくなるよね。
第2部では思いっきり吹かれましたが。
誰の耳にも聞こえない30000サイクル超音波の笛に奥様も不思議がる。
博士は超音波に気づき、原理を説明する。
…この年1960年に周波数単位はヘルツに改名しましたがね、日本では1972年から採用です。
ということで、博士は超音波が聞こえる動物の代表に犬を挙げる。
…犬ですか、イルカやコウモリじゃないんですか…。
8823の耳は犬の耳、取り合わせが面白くて、みどりが笑う。
及川家では、この友好的非地上人の話題でもちきりになる。

翌日の研究所…。
太田が休暇を取った。
博士がタイピングしてほしい文書は助手が何とかしてくれそうだ。
井手助手は博士宛の手紙を差し出す。
ドクター・ブラックからの国際郵便だった。
博士がロンドン留学時代に世話になった物理学者で、力学の新理論を提唱したばかりだ。
…生物学者の恩師が物理学者ですか…。
ドクターはフィリピンから顧問に招聘されたことを機会に、訪日しようと考えていた。
10年ぶりの再会と物見遊山を兼ねた骨休めだ。
喜ばしい文面と裏腹に、博士は静かに図書室へ向かう。
入室したら施錠するほど慎重な行動にはわけがある。
部屋を一瞥し、引き出しに手を入れる。
書棚がスライドして隠し扉が現れた。
隠し部屋に入ると、書棚は元に戻る。
前回、団員が手出しできなかったわけだ。
古めかしい図書室と正反対なメカメカしい隠し部屋で、博士は数式X132の早期完成を誓う。
数式X132がもたらす人類の未来を思い、博士は死を厭わない決意を込める。
その夜、勇は秀夫と交信した。
8823のことを明かしたいところだが、いろんな意味で無線では駄目だ。
必要な時はオフ会で直接伝える約束を交わした。
そんな中、勇を指名して混信があった。
混信の主は8823だった。
8823は今後も混信する旨を伝え、また事件が起きそうなことを警告した。
しかし、以後の通信はぱったり途絶えてしまう。
その頃、及川家にホテルからブラックの電話があった。
ロンドン出発の予定は1週間後と手紙に書いてあったのに。
奥様は間違いなくホテルからの電話を取ったという。
電話を通して博士が対話したのは、確かに博士に聞き覚えのある声だった。
だが、到着日を明記した手紙の到着から1日後に本人が箱根へ到着しているのは妙な話だ。
不思議がる博士に、交信を立ち聞きしたみどりが「事件」の警告を伝える。
翌朝の再開に何か起こりそうな予感…。
そして、無言の8823に勇はいつまでもコールを続けていた。

空間の詳細
逃走シーンで空間発動。画面中央で転んだ瞬間、古式ゆかしい白いもこもこが丸ごと現れる。難点なのは遠すぎて小さすぎること。


あるじのその他の分布地
・まぼろし探偵#劇場3「幽霊塔の大魔術団」(1960年)
この1960年に出演した当番組と映画2本のほかには出演記録が探せなかった。古すぎて追跡不能。