珍しく広島も台風直撃か?
そんなドンヨリ天気の中、後輩家族が遊びに来た。
子供、現在小学校2年。
カイが昔手に入れた「あるもの」にハートわしづかみ。
懐かしいな・・・
そんな事件もあったよね、思い出したわ。
ちょうどカイが小学校3年かそこらだった頃。
出張で岡山にいて、ホテルにチェックインした時に携帯が鳴った。
家からだ。なんだべ?
出ると、電話の向こうでカイ、号泣。
な・・・?ど、どうした?
そりゃあ焦るさ。
このくらいだと怒っても泣くことなんてないのに
それが、息もできないくらい号泣。
「ど、どうしたんだ?!」
って聞いても話すこともできない。
さすがに最悪の事態を想像した。
例えば、友達にケガをさせたとか。
しかもシャレにならないくらいの。
「お、落ち着け!大丈夫だから!」
って言ってもまだしゃべれる状態じゃない。
「何があったか話してみ?大丈夫だから」
ようやく落ち着いてきて話そうとしてる。
「(ヒック)・・・・ポ・・・・(ヒック)・・・ポ・・・・」
「ポ?ポがどうした?ゆっくりでいいから」
そう言いながらすぐに家に戻る事を考えた。
明日の仕事・・・そんなこと言ってる場合じゃねぇ。
もし大きなケガだったら病院直行か。
「ポ・・・ポ・・・」
「落ち着いて話してみ?ポがどうした?」
「ポ・・ポ・・・
ポケモンカードを1万円分買ってしまったぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・
はぁ~???・・・」
なんじゃそりゃ!
もうタマシイが口から出たよ・・・。
よ、よかったぁ~、ケガじゃなくて・・・。
・・・・・・・・ちょっと待てよ?
ナニ?ポケモンカード、
1万円分?!
「千円じゃないのか?」
「イ、イチマンエン」
「ちょっとジュンに代われ」
詳しいことをジュンに聞くと、詳細はこうだ。
どうやら家に近所のセブンイレブンで「ポケモンカード」の強いのが出るらしいって噂を聞いたらしい。
カードは袋に入っていて、中身は開けないとわからない。
それを買っては開け、買っては開けしているうちに、イチマンエンを使っちゃったようだ。
「ちょ、ちょっと待て、その一万円はどうしたんだ?」
「正月に実家帰った時にじいちゃんにもらったって」
だいたいの流れをジュンから聞き、カイには帰ったら話をしようと言って電話を切った。
おいおいおいおい、
さすがにね、マジで焦ったよ・・・。
見たことない号泣だもん。
どんな大惨事が起きたかと思ったじゃんか。
まぁ、それでもカードに1万円なんてもっての外だ。
こりゃあ帰ってからこっぴどく怒らにゃ・・・
って、ちょっと待てよ?
実はこの話、怒りどころがない。
万引きしたわけじゃないし、金を盗ったわけでもない。
自分がもらった金で、ちゃんと払って買ったんだから・・・
全部ポケモンカードを。
よく子供は「怒る」じゃなくて「叱る」っていう。
そう、ここはお金の大切さを教える意味でもしっかり「叱る」ことをしないと。
と、出張を終えて冷静に家に帰った。
まずは事実確認。
実家でもらった1万円で買ったことは間違いないらしい。
で、どうしても強いカードがほしくなって気が付いたら1万円使い切っていたようだ。
「でもなカイ、1万円てどれだけ大きなお金かわかるか?」
そう、冷静に冷静に。
「お金って使うのは簡単だけど、稼ぐのはすごく大変なんだぞ。カイもグローブ買う時にわかったはずだぞ」
そう、怒らず叱る。
「いらないカードはどうするんだ?捨てるのか?それはお金を捨てたことになるんだぞ」
「ちょっと買ったカード持ってきてみ?」
いそいそと部屋に取りに行き、持ってきたのはカードの入れた分厚いアルバムが4冊!
それを見た途端、
「欣ちゃんの仮装大賞」の審査ポイントランプばりに
ピピッ、ピピピピピピッ、ピピピッ!!
怒りポイント急上昇!
MAX!
目の前にあるアルバムたたきつけて、
「こんなもん買うために金くれたんじゃねぇべ!!」
怒鳴りつけてやった。
わかるよ、感情にまかせて怒っちゃいけないの。
わかるけど怒るわ!!
一通り怒鳴った後ちょっとしてから
「で、強いカード出たのか?」
って聞いたら、
「最後の最後に出た」だって。
カイ、人生初の豪遊は
ポケモンカード一万円なり。
そのアルバム4冊、後輩の息子にあげると大喜びされました。