大島大橋へ沈む夕日に誓う甲子園と箱根と友情 | 「迷ったらGO!」

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思い立ったらやっちゃえ!的に行き当たりばったりで行動してしまう、いくつになっても落ち着けないベイスターズファンの親父と、カープ命の母親ジュン、そしてなぜかドラゴンズ狂の息子カイが繰り広げる三つ巴の熱き戦いをお送りします。

突然だけど、


山Pと亀梨クンが歌う「青春アミーゴ」を思い出したね。


アイドルの歌にしては古臭いタイトルだなって思ってた。


だっていまどき「青春」に「アミーゴ(友達)」だよ。


普通そんな言葉使えないよね・・・って。




今日、カイは友達の海釣りチーム4人と最後の釣りへ、


俺らは、消費税アップ前に釣り具買い貯めに「かめや」へ・・・


なんたって「かめや」6の付く日はポイント倍だ。


26日じゃあ品物がなさそうだから、16日の今日行っておこうか・・・となるはずだった。


が、海釣りチームのうち、一人は家の用事でキャンセル。


もう一人は体調不良。


ってことは、二人?


じゃあ、俺らも行く?


と、急きょ俺とジュンも参戦決定!


朝5時半に集合して、一路大島へ。


一緒に行くのは、カイと小学校の野球チームから一緒の「ヒロ」


彼も来週末から県外の高校で野球部の寮に入るから、ホント最後の釣りだ。


ヒロはヒロで、カイを釣りの師匠を仰いでる。


その師匠の師匠と釣りに行けるってんで大喜びのようだ。


え?師匠の師匠って・・・もしかして、俺?


フォフォフォフォ、わかってんじゃん!


おりしも大島はイワシの群れが回ってきていて、シーバス、マダイラッシュ。


イッチョ釣ってやっか、デカいのを!


エサ?いいよ、俺ルアーだけでやるから。


と余裕ブッこいて釣り開始。


釣り初めて間もなく・・・「きたぁ!」


カイが30センチのカレイ。




すぐにヒロが、「きたぁ!」


メバル22センチ、


ふふん、調子いいやね。


またもやヒロが、「きたぁ!」


カレイ36.5センチ!


マ、マジで?


・・・こりゃあマズイゾ・・・


イワシなんざ、ちっとも回って来やしねぇ・・・。


しまいにゃあ強風。


そんな中でもカイたちは穴釣りで20センチ前後のソイをポコポコあげてる。


師匠の師匠、ピンチ・・・。


こりゃあ一匹くらい上げとくか、


と、石を積んでできた垂直に近い壁を下りていく・・・


石を踏み外し「あっ」と思た次の瞬間、


ヤバい!落ちる!


もうここからスローモーション。


手で岩をつかもうとしても、足を岩のでっぱりにかけようとしても、体を支えられず、落ちていく・・・


水面はすぐそこ、もうダメだ!


と思ったとき、最後の岩に足を踏ん張りようやく止まった。


もうギリギリセーフ。


ただ手はザクザク腰を打って激痛。


こんな状態でなんとかソイを一匹釣ってカイたちに見せるけど、


「どうしたん、その手!」


そっちかよ!でも心配してくれてる。


「いや、崖から滑り落ちた・・・」


「ギャッハッハッハッ・・・ダセェ!!」


「なんだとコラァ!歩って帰っか?」


「悔しかったら釣ってみろよ!」


低レベルなやり取りをしながらも、場所を何度か変えるけど風がやむ気配もなく、イワシの群れもくる気配がなく、何より釣れる気配もなく・・・


・・・終了。


でも良かったな、最後に釣れて。


大島からの餞別だよ。


二人とも高校に入ったら寮に入る。


釣りにも行けなくなるだろうからな。


帰りの車は爆睡・・・と思いきや、俺らの知らない中学の日常や高校の話、


何度も言うけど・・・中学生、面白れぇ。


ヒロの家まで送っていき、釣った36センチのカレイとソイ数匹をビニールに入れ、聞いた。


「ヒロ、楽しかったか?」


「はい!ヤバかったッス!ありがとうございました!」


ハハハハ、いまどきだな。


別れ際、ヒロがカイに向かって言った。


「カイ!頑張れよ!」


「おお!ヒロもな!」


それを聞いて思った。


ゴメン、山P・・・俺が間違ってた。


「青春」と「友情」って言葉、


古臭い?恥ずかしい?


そんななぁ自分が正面から向き合ってないだけだ。


彼らみたいにド真ん中で、真っ向から生きているのを見ると・・・


純粋でキレイな本来の「青春」と「友情」ってやつを思い出したよ。


自分が恥ずかしくなるね。


カッコイイよ、二人とも。




俺も・・・崖からずり落ちてる場合じゃねぇな。