「海釣り」・・・「ついで」の「ついで」の「ついで」からの続き。
朝は嫌な音で目が覚めた。
今日はカレイを釣る予定だったけど、これ、どう聞いても風が唸ってる音でしょ。
カーテンを開けると・・・発泡スチロールやらビニール袋が舞い、海は港の中にもかかわらず白波が立つほどうねっていて、停泊している船はグワングワン揺れている。
早い話が・・・嵐だ・・・。
それでもまだ雨は降っていなかったから、大型の漁船がアジを大量に水揚げしている現場を見に行ったりして様子を見ていた。
空には雲の切れ間が見えたため、釣竿を出そうと外に出た瞬間「バチバチバチバチバチ!!」と横殴りの雨。
益田に向かいながらも雨の合間を見て竿を出そうとするけど、投げると降ってくる。
しまいにゃあ振り出し竿がたためなくなる始末。
どんだけ相性悪いんだ、日本海!!!
ダメだ・・・釣りはあきらめよう・・・。
メインはこっちだから、ってことで昼を待って「田吾作」に突入。
古民家の趣のある店に入っていくと、おかみさんがいつものように「あら、いらっしゃい」と迎えてくれ、広い個室に通してくれた。
もう注文は決まっている。
カイはイカ丼。あとは田吾作定食2つに刺身定食1つ。
3人なのに4人前。
理由がちゃんとあって、定食についている煮物と魚のから揚げがメチャメチャ旨い。
でも、イカ丼には煮物とから揚げが付いていない。
刺身は絶対に食べたいけど、から揚げがない。
じゃあもう1人前定食頼んじゃえ!ってわけだ。
料理が出てくると、
「カイ、タクアン1切れやるからイカ丼くれや」
「ヨコワ1枚多く食べたけぇやれんよ」
「ジュン、(煮物の)厚揚げいらんのならよこしんさい」
「何を言いよるん。最後に食べるわいね!」
と、次元の低い内容でハイレベルな駆け引きを行いつつ料理をシェアし、大満足で店を出た。
やっぱりウマイ!
昼飯食うだけのためにわざわざ益田まで来たくなるわ。
そして2時46分・・・黙祷
いつもならまた釣りでもして帰るんだけど、港に行ったら堤防を越えるほどのドエライ波が出ているので、こんな中釣りなんかできるかいな。
と思ったらやってる人がいた・・・2組も・・・。
俺らはまだこの世でやりたいことが山ほどあるので、あきらめて再び国道191号を通り広島に向かった。
昨日フキノトウを採りながら通った道。
益田の街を離れると雨は雪に変わり、標高があがるにつれて本格的に積り始めた。
おいおい・・・・どうなってんだ?
フキノトウポイントに着くころには、すっかり雪国。
しかもその先のカーブで、軽自動車が側溝に落ちてる。
人は車の中にいるようだ。
通り過ぎたが気になって端に止め、ジュンが話しかける。
「大丈夫ですか?」
車の中にはおじいちゃん。
「大丈夫じゃないんじゃぁ・・・」
JAFに連絡しようにも電話番号がわからなくてテンパってたらしい。
番号をメモしようにも手は震えて書けないし、携帯も真ん中の折り目に耳をあてて「よう聞こえないんじゃあ」と、どうやら話が進まない様子。
結局ジュンがJAFと保険会社に話をつけてあげてひと段落。
おじいちゃんとやり取りしている間にも、目の前でスリップして登れなくなり後ろから押してあげたり、帰る途中でも事故ってる車が続出。
逆にノーマルタイヤでよくここまで登ってこれたわ・・・。
でもJAFの人は最後に言った。
「順番待ちなんで何時になるかわかりませんよ!」