今村昌平監督 1968年制作の映画「神々の深き欲望」
沖縄の島を舞台にした因習と伝説の物語。
古い作品ですが、ストーリーに興味を覚えてDVDを購入。
南大東島でロケ撮影されたシーンに小型タンク蒸気機関車が登場。
本土から島の開発会社の部長夫妻の視察一行が到着。
部長の刈谷は社長の婿で、かつて測量技師として島に滞在中に亀太郎の妹トリ子と内縁関係にあって捨て去った男。
瞬時の幻想、印象的な場面
南大東島
沖縄本島の約400km東方に位置。
戦前は製糖企業(玉置商会、東洋製糖、大日本製糖)が所有。日本政府の町村制は施行されず、島の自治は全面的に企業に委ねられた社有島。
サトウキビの収穫は11月~5月、最盛期は24時間稼働。
1885年 日本の領土として編入。
1891年 鳥島に羽毛布団用アホウドリの運搬軌道敷設。
1900年 南大東島に移住した玉置半右衛門ら23人がサトウキビ栽培開始。運搬軌道敷設。
1902年 手押し車457mmゲージ、翌年2.6km敷設。
1910年 玉置商会設立、事業拡大で軌道延長。
1916年 東洋製糖に売却、手押し軌道廃止、蒸気機関車762mmゲージ。
1927年 東洋製糖の親会社、鈴木商店の倒産、大日本製糖が事業継承、路線29Km。
戦時中に日本軍が飛行場建設。サトウキビ畑は日本兵4000人の為の芋畑に変わる。
1943年 爆撃で軌道被害、工場施設の半分は壊滅。
1947年 琉球列島米国軍政府より甘藷栽培の許可。
1950年 大東糖業株式会社の設立、工場施設の復旧。
1951年 南大東事業所の操業開始、SLからDLに転換、作業の機械化
1980年 トラック輸送に替わる。
1983年 軌道の廃止。
2013年 「シュガートレイン夢復活実現事業」観光路線化を検討。
2016年 復元工事の着工。
2017年 観光鉄道の復活は採算面で断念、代替案アトラクション列車。
蒸気機関車
1 - 1913年 ヘンシェル製 元両備鉄道No.4 1918年に東洋製糖に売却
1917年 敷設工事に使用 ディーゼル2号機の導入で廃車
2 - 1917年 大日本軌道製 Cタンク12t ディーゼル3号機の導入で廃車
3 - 大日本軌道製、2号機と同形。戦災で破損、機関庫の裏に放置
ディーゼル機関車
2軸、車体色は青
1 - 1956年 那覇市 権藤鉄工所7t
2 - 1963年 加藤製作所10t
3 - 1964年 酒井工作所10t
5 - 1967年 加藤製作所10t
7 - 1971年 日本車輌2t
8 - 1975年 日本車輌12t
110 - 1941年 加藤製作所5t 海軍の飛行場建設、1980年DL化
客車
会社役員や役人視察時、1928年2両、1963年4両
不定期運行、西港~在所間、機関庫の側線で老朽化
貨車
1968年 平台車222台、ケーキ車12台
1981年 ハーベスタ台車200台、平台車110台
保存機
那覇市壺川東公園 DL5号機とSL1号機の下回り。
沖縄のゴルフ場がSL1号機による遊覧鉄道を計画、計画中止で解体。
南大東島ふるさと文化センター、SL2号機、DL8号機、貨車2両、復元客車。近代化産業遺産群33。
機関庫跡 DL 1,2,3,7号機は、廃線後10年以上放置されて撤去。







