オルフェウスの窓 鉄道シーン1 | スペイン鉄道暮らし

スペイン鉄道暮らし

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オルフェウスの窓 池田理代子作 集英社文庫 全9巻 
 ルイスのZな部屋&海外鉄道紀行
19751980年にかけて執筆された劇画作品の文庫版 

舞台は南ドイツの司教都市レーゲンスブルクから始まり、ウィーン、ロシアへと移り、20世紀初頭の革命動乱の時代が描かれています。

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ユリウス、クラウス、イザークたちは、男子校である教会付属音楽学校に通う同級生。学院の塔には伝説があり、オルフェウスの窓と呼ばれる所から下を見た時に通りがかった女性と運命的な恋に落ち、悲劇的な鉄末を迎えるというものです。

名門貴族アーレンスマイヤ家の第14代当主ユリウスは、実は女の子で、先代の当主の愛人の娘、生まれた時から男の子として育てられてきました。激動の時代に翻弄されながら歩んでいく、それぞれの登場人物の生涯が美しくドラマチックに綴られています。



この物語にはあちこちに鉄道シーンがちりばめられていることに気がつきました。

鉄道場面を抜粋するというオタク的な視点から見てみましょう。
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ニュルンベルク経由フランクフルト行きの列車に乗る音楽院校長ベルンハルト・ショルツ先生。ピアニストとしての将来を嘱望されながら恵まれない境遇のイザーク。妨害で公演中止になりかけ、その撤回の知らせを伝えるが・・
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クラウスは実はロシア人の若き革命家アレクセイ・ミハイロフ

退学届を出してミュンヘン経由で祖国へ向かいます 


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クラウスを慕って追っていくユリウス
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反革命組織の追っ手を逃れて鉄橋から飛び降りるクラウス
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愛人が待つカーレンベルクへ向かおうとしたイザークだが、

ファンの言葉で音楽の道に立ち戻ってザルツブルクへ行くことを決意


ストーリーにはオペラのエッセンスもふんだんに交じり合っています。脇役的な女性たちも印象的で、イザークの妹で薄倖の少女フリデリーケにはラ・ボーエムのミミの姿が託されていますし、後に妻となる遊女のロベルタは椿姫のヴィオレッタの化身のようです。


以上、第5巻までの抜粋。