スペイン17世紀バロック期の宗教画家
今回の展覧会のテーマは聖女たちで、サンタ・クララ修道院ホールに代表的な肖像画が集められて展示されていました。
スペイン美術の中では、モノの質感を完璧に描く技に長けた超写実主義の大家として知られており、織物であれば、絹、羊毛、木綿、麻、刺繍、レースのリアルな感触を伴ったう緻な表現。静物画ならば、金・銀・銅など各種の金属や、素焼きと釉薬塗りの陶器の光沢と陰影を描き分ける素晴らしさにおいて、スルバランを凌ぐ画家はいないと評されています。
さながら貴婦人の肖像のような絢爛豪華な衣装を纏った聖女画の数々は、地元の美術館のみならず、マドリッドやジェノバからも貸し出されたものです。僅か17点の絵画鑑賞ですが、イヤホンガイドの説明を聞く時間も含めて約2時間を要しました。
上階には、著名なブランドデザイナーたちが、スルバランの聖女たちの衣装からインスピレーションを得て、現代のモードに応用して縫製したドレスの展示がなされていました。見方を変えれば、スルバランが描いた女性たちの姿は極めて現代的であり、ファッションモード画の先駆のような趣きがあります。
修道院の中庭回廊や食堂の風情も古風で、ひととき心が落ち着く空間でした。
5月~7月まで開催された特別展のための広告ラッピング
こんな粋なデザインのトラムが走っているのも当地ならでは
