リバロッシ | スペイン鉄道暮らし

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 メルクリンZゲージを中心に N&HOゲージの車輌コレクション 
 これまで訪れた国の鉄道に関するスナップ写真や記事を掲載しています

イタリアの鉄道模型メーカー、リバロッシ社についても検索して調べてみました。


1945年 イタリア北部コモにおいて創業

      企業名は創業時の共同経営者アントニオ・リバとアレッサンドロ・ロッシの姓の結合に由来

      従来の主流であった真鍮製に比べて、安価で高品質なプラスチック製品の製造と普及に貢献

195060年代 ヨーロッパの統一規格の制定に尽力

      イタリア車輌の模型製作、アメリカの大手ライオネル社、ドイツのトリックス社と提携して製品供給

1963年 精密模型メーカーのポケール 社を傘下に収めて技術を応用

1968年 アメリカのアトラス社と共同でNゲージ参入 1992年まで生産

1970年代 最盛期は約300人雇用 

      香港に生産拠点を移す計画中止 品質管理と雇用維持のためイタリアに拠点を残す

1974年・1981年 経営危機

1980年代 HOゲージ縮尺を1/87に定めて、細密な製品で評価を得る

1984年 アレッサンドロ・ロッシ引退、ジョルジョ・ダラ・コスタが経営を引き継ぐ

1991年 新経営者にアレッサンドロ・ロッシの息子が就任 ヨーロッパの競合メーカーの買収開始

1992年 イタリアのリマを買収

1995年 フランスのジョエフを買収

1997年 ドイツのアーノルトを買収

2000年 組織改編 リマが中心でリバロッシは一部門

     コモ工場はジョエフの工場やアーノルトの工場と共に閉鎖、リマの工場に集約

     数年後に再び経営危機に陥ってグループの活動停止より安価な中国製の台頭でシェアを落とす。

2004年 イギリスのホーンビィ社が、リバロッシ、リマ、ジョエフ、アーノルト、ポケールを含むリマグループを

      800万ユーロで買収。ブランド名は存続、生産拠点は中国に移転

2008年 コモの旧本社と工場は再開発のために解体


ルイスのZな部屋&海外鉄道紀行

リバロッシNゲージ オリエント客車 80年代製

鉄道模型の世界でイタリアのメーカーというのは少し異色かもしれません。
工業都市トリノあたりが本社と想像しましたが、美しい湖畔のハイソの町、コモというのも意外でした。
この地名には、ちょっと懐かしい響きがあります。

個人的な思い出話ですが、学生時代にミラノから電車に乗って足を伸ばしたことがあります。

私鉄であることを知らずに、しかも、赤いビロード地のソファ座席の優雅な一等車に乗り込んでしまい

検札の車掌に、この路線はユーレイルパスは使えないことを指摘されて困ったというエピソードがあります。

到着したコモは、まさしく上流階級の雰囲気・・ 自分には場違いと思い、そのままミラノに戻ってきました。


こうして年表を辿ると、あたかも人間の一生のように、一つの企業の栄枯盛衰を見る思いです。

かつてのリバロッシの純正な製品は、もう製造されていないわけですね。

希少価値のあるリバロッシの車輌の一つに、オリエント急行のエジプト版モデルがありますが、

オークションでN客車1輌が150200ユーロの高値で取引されている理由も、これでわかりました。

どうやら僕の鉄模行脚は、知らずのうちに、こうした過去の栄光の軌跡を跡づけることにもなっているようです。