日本製オリエントエクスプレス | スペイン鉄道暮らし

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 メルクリンZゲージを中心に N&HOゲージの車輌コレクション 
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遂に、KATO オリエントエクスプレス 88 を手にしました。

1988年のオリエント急行の日本到来を記念して製作された限定品です。


ルイスのZな部屋&海外鉄道紀行 ルイスのZな部屋&海外鉄道紀行
基本編成7両セット 美しい化粧箱入り


これまで見てきた各社のオリエント客車の中でも群を抜いて際立った仕上がり。

いままでこのジャンルの車輌を買い集めてきたのは、ここに行き着くためだったのかもしれません。

車体の上品なブルーの色合いと光沢、鮮明な文字、パーツの細部、内部の調度品のきめ細かさ
どれをとっても、Nゲージ オリエント・エクスプレスの最高峰に達していると思います。
まさに職人技の逸品といえましょう。


時はバブルの真っ盛り。

パリを出発して、ベルリン、モスクワ、イルクーツク、ハルビン、北京、香港までは大陸を横断して

船に乗せられて広島に入港、それから約2か月間に渡って、日本全国を走ったとあります。

僕は同年の春からスペインに住み始めましたので、その時の日本での雄姿は目にしておりません。


付属の冊子を読むと、実際の走行に当たっては、

日本の狭軌とヨーロッパの標準軌との差をクリアするために、台車ごと交換したということです。
他にも車体サイズや設備上の問題など、日欧間の規格や規則の違いに伴う

数々の課題を解決しながら、この一大プロジェクトは実現したのですね。

当時の企画運営者、技術者たちの甚大なる努力と情熱が見てとれます。


メインの牽引機は、D51-498 および EF58-61ですが
東北、九州、上越、山陽などでは、ED75 ED76 ED79 EF64 EF81
北海道ではDD51にも牽引されたと、パンフ写真の説明にあります。
日本の機関車との様々な形のセッションをしながらの夢の競演だったのです。


在りし日の日本の短き繁栄の時代・・ 現代の世相と経済状況を見るにつけ

オリエント急行が日本までやってくる大イベントは、これが最初で最後だったかもしれません。

その記憶を留めるシンボルとして、このセットが製作されたことは

日本の鉄道模型史にとっても意義深いことのように思われます。