最近ネット上で「衝動買いの脳のメカニズム」に関するコラムを読みました。
なるほど合点がいく記事です。昨年から没頭しているマイブーム=鉄道模型、買いまくり状態の心理を解き明かしてくれています。
曰く、衝動買いとは、脳内麻薬物質ドーパミンの分泌と密接な関係があるということ。
大脳中枢部の快感をつかさどる部分から滲み出すホルモンの制御不能という状態。
オークションの罠に陥って、やめられない、とまらない♪ それがまさに自分の姿であります。
この心理について自分なりに分析してみました。
衝動買いや無駄遣いという行為は、日常生活のストレスや欲求不満の捌け口になっていると言われます。加えて、人間のもつ所有欲というものが微妙に関わっています。自分が欲する物を未だ手にしていないという欠如感覚を満たすために買い物に走るわけですが、日常の必需品ならともかく、趣味収集品の場合には買い物の意味が少し違ってきます。
求めていた商品を手にした瞬間が快感の絶頂であり、それを眺めつ誇示することによって、所有する目的が達せられます。しかし、一旦所有した後は、時が経つにつれて反比例して、初期値において高水準を示していた欲望度は徐々に低下していきます。
蒐集癖とは軽度のパラノイア性を持った恒常的な快楽追求志向です。それは慣性の法則を伴って、次から次へと付帯物資を連鎖的に求めていく傾向があります。
現代のネットオークションのシステムは、購買者の欲望に拍車をかけるように煽り立てます。あたかもプチ博打のようなスリルとでも申しましょうか、落札直前の数秒間に味わう興奮、これも抗いがたい快感の一つ。消費者相互の競争心理が相乗効果をもたらして、モノを買うこと自体よりも、勝つことに意義を見出すという心理に導かれていくのです。
例えばこんな心理
安い!今買わないと後で高い値段で買うことになるから、今ゲットしよう。
こんな安い価格で他人に奪われるなら自分が競り落とそう。
超レア物なので、今ゲットしておかないと二度とチャンスはないかもしれない。
自分が勝つか、その瞬間に誰かが現れて掠め取られるか、いざ勝負!
こうして、いつのまにか購入済のリストに連なるアイテムの数々。出品元から発送されて、到着を待ちながら日数が経つうちに、自分が何を買ったのかも記憶に薄くなっていたり。
こうなると何のための買い物かわからなくなります。これはもうビョーキの一種でしょう。
もう一つの快感は、いよいよ小包が届き、梱包を開いて、品物を見て、手にとるその時。晴れて自分の所有物になったことを実感する瞬間の喜び。これを繰り返し経験したいがために、オークション依存症になっていくわけです。
頭の中は常にドパーミン垂れ流し状態、これは健全な脳の在り方ではありません。
いずれは欲しいと思うものが無くなってしまう時が来ることも考えられます。それは対象に興味を失う時でしょうか。巷でブームと言われている現象の多くは一過性のもので、いつか話題の俎上から姿を消し、省みられなくなる時がやってくるものです。
日本のマスコミでもてはやされているブームはいつまで続くのでしょうか。こうした一連のムーブメントも他と同じように人工的な限られた期間の流行に過ぎないのでしょうか。
鉄道には約200年の長い歴史があります。産業革命以来、現代のテクノロジー社会を築き上げてきた原動力の源泉といっても過言ではありません。
その本質を掘り下げて、鉄道がもたらした恩恵に対する感謝を認識することが大切です。
一生付き合えて、世代を越えて分かち合い、受け継いでいけるような、広さと深さを持った世界だと思います。これが束の間のトレンディで終わらずに、息の長い趣味ジャンルであってほしいと願うものです。