鍾乳洞内を走るトロッコ列車も鉄道のジャンルのうちである。
世界遺産に登録されているポストイナ鍾乳洞はヨーロッパ最大、
世界で第二の規模として知られているが、発見の歴史は古い。
1818年、洞窟が発見されて一般公開のための整備に着手。
1872年、トロッコ敷設、オーストリア・ハプスブルク時代。
1920年、オリエント急行がポストイナに停車、ヨーロッパの富裕層の観光地の一つとなる。当時ベネチア、トリエステ、リュブリャーナ、ザグレブを経由したことがある。
洞内温度は8℃、ひんやりとしている。半袖シャツで入ってしまったので、すこぶる寒い思いをした。
それにしても、トロッコで走りながら見るという発想はすごい。19世紀版ディズニーランド、スペースマウンテン・ケイヴとも言える。しかも、こちらは作り物ではなくて本物の鍾乳石。当然、軍配はこちらにあがる。
頭上すれすれの高さに垂れ下がる鍾乳石、カーブごとに迫ってくる巌をかいくぐっていく。もしも立ち上がろうものなら、たちまちにして迫り出した岩に脳天をカチ割られそうだ。全長2kmの洞窟内を所要5分で疾走するスリル溢れるアトラクション・トレイン。
奥のホームに到着すると、さらに1,7kmのコースを歩いて、専門ガイドの案内によるグループ観光となる。幻想的にライトアップされた鍾乳洞の光景に、しばし我を忘れて見とれていた。
かなり早い時代に取り入れられた電気トレイン
客車はパイプで作られた極めてシンプルな造り
鍾乳洞の中を走って奥のホームに到着