私には未だ、「あれはどうだったんだろう」と思い悩んでいることがあります。

それはアンナとルークのこと。

それと、これから先訪れるであろう、我が家の杏姫こと、あんちゃんのこと。




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アンナマリア 享年5歳。

彼女は生まれてから5年間、ゲージの中で育ってきた子です。

外の世界を知らず、人間というものに不信感を常に抱いていて、来客に寄り付きもしないくらい、飼い主のSちゃんと、私にしか懐きませんでした。

そんな彼女をSちゃんは「自分の娘」として迎え入れました。

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毎日毎日、一緒に寝るくらい仲良し。

親兄弟のいない天涯孤独な身のSちゃんには、かけがえのない存在だったことに違いありません。







ある日、お散歩がてらSちゃんはアンナを連れて行きつけのお店に買い物に行きました。

時間にして15分くらい。

戻ってみたらリードがスッパリと切られていて、アンナがいませんでした。





仕事を終え、着信に気付いた私はすぐに電話をして「駅前の交番に届けて!」と指示を出して、全速力でその交番に行き、合流しました。

「わかりました。では何かありましたら連絡しますので」

そう言われ、Sちゃんをなだめながら帰路につこうとした時、ジリリリリリ‼️

交番の黒電話が鳴り響きました。







嫌な予感てのは当たるものです。

「アンナちゃんに似たワンちゃんがO警察署に運ばれました!確認してください!」






道中、私たち2人は沈黙したまま、ただひたすらに(頼む、生きててくれ、お願いだから生きててくれ、アンナ!)そればかり繰り返していました。






願いは、通じました。

ただ、つい貧血を起こしかけたくらい、かなりの重篤な状態でした。

それでもアンナは、私たち2人の顔を見ていて尻尾を振っていて。

泣きながら「わかった、わかった」とそっと指先で撫でてあげることしか私には出来ませんでした。







警察の方の話によると、切れたリードをつけたまま迷子になってたアンナを、警察官の方だけでなく、通行人の方々も捕まえようとしてくれたそうです。

しかしアンナは、たかだか半年やそこらで人間不信が完璧にはぬぐいさえていなかったのです。

だから、逃げた。

逃げて、逃げて、辿り着いてしまったのはO通りと呼ばれる大きな通り。

当然のことながら交通量も多く、大通りの真ん中でうろちょろしてたところを、車にひかれてしまいました。








私はその車の運転手に聞きたい。

何であなたは、

そのまま逃げ去ったわけ?


ワンコ1匹、ひいても平気で走り去るその神経、とてもじゃないけど理解出来ない。








警察官の方々が夜間救急病院を探してくれ、タクシーまで手配してくれました。

私たちはお礼もそこそこにタクシーに飛び乗り、30分くらいでしょうか、アンナが必死に立ち上がりたがるのを「いい、わかってるから!」となだめ続けました。



「私、大丈夫だから‼️」


アンナは全力でそう伝えてきました。

もちろん私たちも痛い程それが伝わってきて、とにかく病院に行けば何とかなる!

そう思っていたのです。







病院に着き、アンナを獣医さんに託して、私たちは待合室でまた沈黙したままでした。

何故かと言うと、私たちより後から来たニャンコの方が先にお会計して帰っていったから。

アンナがいかに難しい状態か、それで私たちは悟りました。







「今晩一晩ICUにお預かりします。明日の朝お迎えに来てください」

ICU室、檻にプラスチックの扉がついただけのもの。牢獄にしか見えませんでした。





「明日またくるからね。アンナ、頑張れ‼️」






そう言ってタクシーで帰る途中、Sちゃんの電話が車中響き渡りました。

「アンナちゃんが心肺停止です!」






すぐさまUターンして、救急病院へ。

そして私たちが目にしたのは、小さな体をギュウギュウ心臓マッサージされているアンナ。

言葉を失いました。

そして容赦なく獣医さんに聞かれました。




「心臓マッサージを始めてもう15分以上経ちます。蘇生の見込みはありません。それでも続けますか?」



これを読んでる方なら、どう思うのでしょうか。人それぞれでしょう。
私たちもそうでしたから。


Sちゃんは現実が受け入れられないようで、力なく放心状態でした。

なので私が言いました。


「もう、止めてください。この子を楽にしてください」





心臓マッサージを始めて15分以上自発的に動かないと、蘇生の見込みはない、ということは予め聞いていました。

そのリミットが越えたので確認のために獣医さんは聞いてきたのです。

頭ではわかっている。

だけど、もし、もう少しやれば…。







   ピーーーー。

非情な音が耳に入りました。




その瞬間、不思議なことに私の涙は止まりました。

アンナが、死んだ。

その現実を冷静に受け止めたからです。








今現在のアンナはこちら。

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分骨という形で、メモリアルペンダントの中にいます。







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底面には『A』、アンナの頭文字。





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いつも私の胸元にいます。

あの子がまだ見れなかった景色や光景を、見せてあげたくて。







でも、たまに罪悪感に苛まれます。

もしあの時、心臓マッサージを続けていたら、アンナはまた息を吹き返したんじゃないか?

そう、思うのです。






アンナ、そっちの世界に飽きたら、いつでも還っておいで。私たちは忘れてないよ。
あなたの最期の言葉、

「愛してくれてありがとう」

当たり前だよ。
今でも愛してるよ。

だって、家族じゃないか!

だからこれからも、いろんなとこに連れ回すからね。覚悟しなさい😊💕







❤︎LOVE you forever❤︎





☆Fly again☆