3月にフェルメールの美術展に行って以来、久々に美術展に行ってきました。
昨年末から中々大好きな美術館巡りを出来ずにいたのですが、
この美術展だけは絶対に見逃せない
と、開幕早々に行って参りました!
「空海と密教美術」展
於:東京国立博物館・平成館
時:平成23年7月20日~9月25日
この美術展のキャッチコピーは、
「国宝・重要文化財98.9%」ということで、
本当に何の指定も受けていない品を探す方が難しいほどの
貴重な品のオンパレードですっ!
ただ、展示物は細かい日程で入れ替わりますので、
全部見るには何度も行かないといけないのですけどね。
まず、やっぱり美術展は会期の始め頃に行った方が
確実に空いてるのを実感しました。
早くに夏休みをとっていた先月の開幕直後に行ったのですが、
加えて夜8時まで開館時間延長がある金曜日の夕方を狙ったおかげか
目玉の仏像を含めてじっくり見る事が出来たのです(*^▽^*)
最近は仏像ブームで、ゆっくり見るのがとても難しいんですヨ。
実は余談ですが、大震災後は節電のためにどの美術館も
開館時間の延長を取りやめていた様です。
その事を知らずに以前、国立西洋美術館へレンブラント展を見に行った時、
門に貼られた「延長中止」の紙を見て涙した事がありまして…(ノ_-。)
何事も行動は早く、ですね!!
さて、本題の美術展ですが、今回のテーマはズバリ、
「空海を知る!」だと思います!
空海若き日の作品から、留学先の唐から持ち帰ったもの、
密教の確立のためにあつらえた曼陀羅や仏具の数々…
昨年に高野山へプチ修行に行って以来、空海という偉大なお人に
ハマりにハマった私にとっては、大満足な美術展でした。
仏像だけが目当で行くと、ちょっと間延びしてしまうかもしれません。
今回は時間がたっぷりあったので、音声ガイドを借りてみました。
ナレーションは北大路欣也さん
です。
時々声明も流れて、ゆったりした気分になれますよ♪
前半は、主に空海の直筆の書や所縁の品々が展示されています。
書道には全く素人の私が見ても、多彩な書の数々は
ため息が出る素晴らしさでした。
恐らく書道を習っていると思われるお子さん達が、
先生や親御さんの説明を聞きながら、じっと書の文字を
見つめている光景が印象的でした。
空海24歳の時の直筆の書。
この作品、実は昨年高野山でも拝見したのですが、
まるで昨日書かれかの様に墨が黒々として美しいんですよ。
一気に書いた様に字に勢いがあって、でもどの文字も
均一な大きさで書かれているんです。
空海は意思の強いお人だったのだと、感じずにはいられません。
他にも何点か直筆の書がありましたが、なかでも
私が強く惹かれた書がありました。
「灌頂歴名(かんじょうれきめい)」と題された書です。
なんだかえらく、くだけた感じの書ですよね。
先にご紹介した「聾瞽指帰」とは全く違った書に見えます。
「歴名」という通り、そこには人の名前が書かれているのですが、
文字列も揃ってないし、線で消してあったり書き直したり、
○がついてる名前さえあります。
実はこれ、正式な文書ではなくいわゆるメモ的な物なのです。
「灌頂(かんじょう)」とは、密教にとってとても大事な儀式の事で、
沢山の仏が描かれた曼陀羅の上に、目隠しをされた信者が
手にした華を投げて、その華が落ちた仏と結縁する儀式なのです。
この書は、灌頂を受けた人がどの仏と結縁したのかメモした物だったのです!
なんだか、空海という人の息吹が感じられる書ではないですか??
左手にこの和紙を、そして右手に筆を持って書いてる姿を想像出来ます。
空海を身近に感じることが出来た気がしてちょっと興奮しました(笑)
(少しヘンな人になってますね、ワタシ(;´▽`A``)
上の画像には写ってませんが、最初のページには
あの最澄のお名前も見ることが出来る、歴史的にも
とっても貴重な第一級の資料なのです。
「福丸」とか「安丸」などと”丸”が着いた名前は子供でしょうか。
そんな事を想像しつつ、しばらくこの書の前から動けませんでした。
そして同じく、生身の空海を感じる事が出来る展示物をもう一点。
この画像だけ見るとナンジャコレ?なんですけど、
いわゆるお坊さんが身につける、袈裟の一部です。
実はこの袈裟は、空海が入唐して師事した恵果(けいか)という方から
直接いただいて(=後任者と認定)日本に持ち帰った袈裟と伝わっています。
ということは、空海が身につけた可能性が高い、という事。
そりゃーまた大コーフンなワタクシでした(笑)
継ぎはぎに見えるのは(実際もうボロボロなのですが)、
「糞掃衣(ふんぞうえ)」といってわざと古く見えるように作られた物なのです。
この考えは西洋にもありまして、キリスト教の有名な聖人である
イタリアはアッシジの聖フランチェスコの残された衣も同様です。
偉大な人って同じ様な思考になるのかしらん?と凡人なワタクシは
1200年前の袈裟の前で考えてしまったのでした。
博物館や遺跡でいつも感じることなのですが、
もしかしてこれを偉人が触ったかもしれない、あるいは
ここを歩いたかもしれない、と想像出来ることが
私にとっては最大の楽しみですね。
さて、開幕から10日間だけ特別展示されていた品が2点あります。
どちらも仏具なのですが、一つは
「金念珠(きんねんじゅ)」と呼ばれるお数珠です。
このお数珠は、空海が唐の順宗皇帝から送られたという
伝承を持つ、金・珊瑚・琥珀・瑪瑙で出来た、実に豪華なお数珠です。
珠の一つ一つがとても繊細な細工なんですよ!
空海は、ほんの2年余りしか唐に居なかったのですが、
時の皇帝からこの様なお品をいただけるほど、
その才能を認められていたという証拠ですね♪
そしてもう1点が、「飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)」と呼ばれる
密教の仏具です。
以前、プチ修行の旅の記事でもご紹介したことがあるのですが、
空海が唐から帰国する直前、彼の地からこの三鈷杵を投げたところ、
海を飛行して現在の高野山にある松の木に懸ったという伝承があるのです。
その松の木は、高野山で見ることができます。
(もっとも7代目位らしいですが…)
2点とも、なんとも歴史の浪漫を感じる事が出来るお品でした![]()
さて、第2会場へと足を運びますと、いよいよ仏像ゾーンに入ります!
なんたって今回は京都の東寺から、国宝8体をふくむ仏像が
立体曼陀羅を再現してくださるという、ありがた~い催しです。
会場へ続くスロープを歩いているだけでもワクワク![]()
ここを見るだけでも何回も通ってしまいそうです(笑)
天井が高い広い空間にポツポツと置かれた仏像を、
間近で、しかも360度からくまなく見る事ができます。
どの像にもスポットライトが当たっていて、スターの様ですよ♪
そうそう、今回は仏像界(?)のスター中のスターである、
このお方もいらっしゃっています!!
「帝釈天騎象像」
あの興福寺の阿修羅像に劣らないほどの仏像界(?)では人気者です。
今回もこの帝釈天像の前には沢山の人が陣取ってました。
モチロン、お顔だけでなく造形も素晴らしいです!
乗っている象も、現実に象を見たことがある仏師が制作したと
思われるほど、足のシワのあたりが写実的だと思います。
東京でお会い出来るなんて幸せ~![]()
ちなみに帝釈天様に、私が初めてお会いしたのは漫画の中。
光瀬龍原作・萩尾望都作画の「百億の昼と千億の夜」です。
この東寺の帝釈天様がモデルなのは間違いないですね~(*^▽^*)
そしてもう一体、印象的だったのがこちらです。
「降三世(ごうざんぜ)明王立像」
胸の前で交差させた腕の形が印象的な明王様です。
明王は、たいてい邪鬼を足元に踏みつけているのですが、
この降三世明王が踏みつけているのはなんと人間。
いつもどうしてなのかと疑問でしたが、答えがわかりました。
この2人は人間ではなく、大自在天王とその妃の烏摩(うま)でした。
大自在天はヒンドゥー教のシヴァ神の事で、煩悩や欲望の
象徴として踏みつけているんだそうです。
ナルホド~、勉強になりました!
実は、空海が密教の極意を表すものとして作った立体曼陀羅は、
現在、東寺の講堂で全体像を見ることができます。
全部で21体もの仏像で構成されている立体曼陀羅は、
それはそれは素晴らしい空間となっています。
でも実は、完成したのは空海が入寂した後だったため、
この立体曼陀羅を空海が見ることはありませんでした。
でもきっと出来栄えには満足されている事でしょう。
その素晴らしさは実際の東寺でぜひ体感される事をオススメします。
そして今日8月7日から3日間、NHK・BSで
空海に関する特別番組が放送されます。
「空海 至宝と人生」
もう、楽しみでしかたありませ~ん!!











