- 前ページ
- 次ページ

久しぶりの更新は、生活情報から。
イタリアでは各個人が、「かかりつけ医」という医者を指定し、救急以外ではまずこのお医者さんに診てもらい、薬の処方をしてもらったり専門医への紹介をしてもらったりする。
(英語では、Primary care doctorとかHome doctorと言うらしい)
つまりどんな病気でも、(救急の場合を除き)まずはかかりつけ医に会うことがほとんど。このお医者さんとの意思疎通ができないと、非常に困ることになる。
そのためイタリア語のできない私たちには、英語の出来るかかりつけ医が必須であるが、Genovaで見つけるのは非常に難しかった。
今後Genovaで生活を始める方のために、英語のできるかかりつけ医を紹介したいと思う。ちなみに子供は小児科医(Pediatrico)という医者に付くことになるので、それも紹介したいと思う。
注意したいのは、イタリアの掛かり付け医は、病院ではなくオフィスのような所にいる。当然医療器具は聴診器程度しかなく、軽い診察・問診のみ。
また、毎日同じオフィスにいるのではなく、出勤場所が日によって変わるため、会える日がとても限られる。
大人用のかかりつけ医;
GENOVAの中心部、San Lorenzo通りにオフィスがあり、アクセスが良い。年配の先生だが、英語がしっかりと話せるし、結構融通が効くのもありがたい。San Lorenzoのオフィスには週4日勤務、それ以外のオフィスも街中にあるので便利。
子供用の小児科医:
GENOVA中心から少し歩いた、via Peschieraという通りにオフィスのある小児科医の先生。
年配で英語はまあまあ話をされる。この先生は、via Peschieraのオフィス勤務は週に1日、それ以外のオフィスは遠いため、とても便利が悪かった。
どちらも人の良い先生で、英語の話せる貴重な先生でした。GENOVAセンターに住んでる、イタリア語の苦手な人にはお勧めです。
研究者はキャリアの中で、いくつかの研究室を渡り歩き経験を積むのが良しとされる。
この際の研究室の「正しい」選び方というのはなく、タイプによってメリット・デメリットがある。
先日国際学会で改めて痛感した、今の研究室でのメリットを通じて、研究室の選び方について少し考察したい。
今回行ったのは、参加人数1000人以上という、私の分野ではトップ規模の国際学会。
もちろん発表や展示は全て英語で、ノーベル賞受賞者を含め参加者にはビッグネームが連なる。
口頭発表は5−6箇所で並行して4日間みっちり行われ、ポスター発表も200枚ほどが2回と盛りだくさん。
私は今回2件の発表を申し込み、口頭発表とポスター発表の両方をさせて頂いた。
今回感じたボスの影響力を書き出すと、
1.自分の研究室から8人が発表を申し込み、全員が口頭発表に選ばれた。
2.1人は大講堂でノーベル賞候補者に連なっての発表だった。
3.2人が司会者に選ばれ、そのうち1人は若輩者の私だった。
補足すると、口頭発表はポスターよりもハードルが高く、日本の旧帝大クラスの教授もポスターの人が大半だった。うちの8人は半数が学生であり、「全員当選」は明らかにボスの影響力のお陰。
またこの学会で司会者は通常、教授や准教授クラスの人が担当し、若い人はほとんど見かけない。適任者がいなかったのか、重鎮の先生が2回も司会をされている中、なぜか経験の浅い私が選ばれたのは驚き。
因みに私は日本でも若く見られ、欧米ではいつも10才以上年下に見られるので、会場の方はたいそう驚いたことと思う。
ボスの影響力によって「七光り」のように自分の知名度が上がることは、大きな研究室に所属することの大きなメリット。研究室の大きさ・知名度で双方のメリットを比較すると、
大きな研究室によるメリット:
1.ボスの影響力により、自分の研究の認知度・自身の知名度が上がりやすい。
2.施設や機器など研究環境が整っており、研究を進めやすい。
3.既存のプロジェクトが多くあり、その派生として自分のプロジェクトを始めやすい。
4.様々な強みを持つ同僚がおり、多くはとても優秀で、力を集めて大きなプロジェクトができる。
ー>これには英語によるコミュニケーションが求められる。
5.知名度が上がると他の研究室への移動もしやすい。
6.自分の強みを多くのプロジェクトで発揮できるので、共著者として論文数が稼ぎやすい。
7.上記と関連して、短期間での論文発表がしやすく業績をあげやすい。
ー>逆に第一著者の論文が出しにくい場合も多い。
8.予算が潤沢な場合が多いので機器や試薬の購入などがしやすく、また研究費申請に割く時間も省ける。
小さな研究室によるメリット:
1.あらゆる事を自分でしなければならず、それゆえ色んな事に精通できる。
2.既存のプロジェクトが少なく、それゆえプロジェクト立ち上げ経験を積める。
ー>既成の概念が弱いため、自由な発想のプロジェクトが生まれる。画期的な研究は小さなグループから生まれると言われる所以。
3.上記の結果、自分のプロジェクトで第一著者として論文を出せる。
4.若いボスの場合が多く、ボスが個々の研究に積極的に参加し研究方針の指導を得られることが多い。
ー>大グループではボスに会う機会すら少ない。
5.研究費が少なく自分で申請をするため、申請書作成経験(と獲得成功すれば実績)が積める。
ー>大学の研究費削除が続くなかで、研究費獲得実績は貴重な強みとなる。
6.苦労を共にした同僚とは親密で長い付き合いができる。
ー>大グループの人間関係は比較すると軽い印象。
総括すると、大きなグループではリソースが整い、ゆえに「既存のレールに乗って」短期間に研究成果の稼げる場合が多い。逆に小さなグループでは新しいことを「立ち上げようとしている」ため、成果が出るのに時間や労力が必要だが、革新的な研究成果となる可能性がある。ただボスの性格や能力等に大きく影響されるので、研究室の選択は慎重に。後者はハイリスク・ハイリターンだと思う。
私の博士課程当時のグループはボス以外に3人の博士課程学生のみだった。自分のアイデアでプロジェクトを始めたり、色んなアイデアを出しながら同僚と研究を進めるのは充実していた。デメリットとして研究費の申請やプログラミングの勉強など、論文を出すのに時間がかかった。だけど研究者には、「自分のアイデアを一から練って、苦労しつつそれを試して形にする」事が非常に大切で、それを体験できたのは大きな強み。
今の研究室は30人以上の大所帯で、FPGAやGPUなどのプログラミングから生物試料作成まで、あらゆるスキルの同僚がいる。また色んな機器が転がっており、SLMでの補償光学や焦点可変レンズでの立体イメージングなど、色んなことを吸収できる。同僚は全て超優秀な人間で、色んなディスカッションにも花が咲く。逆に既存の研究トレンドを追っているだけの部分もあり、博士課程時代に花が咲いたクレイジーなアイデアは減った気がする。
という訳で、研究室選びには長短があり一概には言えないが、自分は両方の立場を経験できて良かったし、双方のボスには非常に感謝している。






