5月5日。

青空に悠々と泳ぐ鯉のぼりを見ると、初夏の風を感じます。

鯉のぼりは、中国の故事「登竜門」に由来します。激しい流れの滝を登り切った鯉は龍になる。そこから鯉のぼりは、「困難を乗り越え、強く健やかに成長してほしい」という願いの象徴となりました。

 

また、中国から日本へ伝わった端午の節句は、もともと「邪気を払う日」とされていました。

古代中国では、季節の変わり目である5月は「湿邪」と「暑邪」が入りやすく、胃腸や自律神経が乱れやすい季節と考えられていました。菖蒲湯に入ることや、ヨモギを飾る風習も、その名残りです。

 

朝晩はまだ涼しいこの時期ですが、日中は汗ばむ日が増え、熱中症への注意も必要になります。人の体は、急な暑さにすぐ適応できるわけではありません。汗をあく力や体温調節機能が整うまでには、数日から2週間ほどかかるとも言われています。

 

だからこそ、睡眠を削らず、朝は白湯を飲み、軽く汗ばむ程度に歩く。湿気をためやすい甘いものや脂っこいものは控えめにしながら、少しずつ体を夏仕様へ慣らしていくことが大切です。

 

季節の変化に寄り添いながら、無理をせず、自然に合わせて整えていく。

それが、漢方の養生の知恵です。