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2019年7月にうつ病を発症したことをきっかけに、その年の12月からブログを始めました。サラリーマン弁護士として働く僕が、日々考えていることを綴っています。
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【 今日のトピック:いつまでも雇われるためには 】
「人生100年時代」と呼ばれていますが、人生の時間が100年もあると、「生涯現役」が当たり前になります。
これまでのように、60歳定年では生きていけません。普通に考えれば、100年分の生活費を、60歳までに稼ぐのは不可能だからです。
まあ、よっぽど収入がよくて、なおかつ、生活レベルを上げずに生活していれば、60歳定年までに、100歳までの生活費を稼ぐことも可能かもしれません。
いわゆる「FIRE」(一生分の生活費に困らないくらいの金融資産を築いて、仕事をやめる)を達成するのが流行しているらしいですが、僕は、FIREには猛反対です。
まず1点目に、「FIRE」を達成すると、再度、仕事に戻るのが難しくなります(まあ、そもそも、復職なんてしなくていいくらいに金融資産を貯蓄できたからこそ、仕事をやめるんでしょうけど・・・)。
しかし、人生何が起きるかわからなくて、突発的に、金融資産が足りなくなるかもしれません。その時に収入源がないと、立ち行かなくなります。生活保護に頼るしかありませんが、そうなると、自分の生活費を国家に依存することになり、「Financial Independence(経済的独立)」をできていないことになります。
だから、FIREすると、逆に、「Financial Independence」を妨害されてしまうかもしれないと僕は思っているのです。
それと、「FIRE」で想定されているのは、あくまで、「自分の」生活費です。
だから、自分以外に使えるお金はありません。誰か友達を金銭的に助けたくても、それはできません。だって、友達を助けるのにお金を使ってしまうと、自分の生活費が足りなくなるからです。
仕事をしていれば、余剰資金を作って友達を助けられたかもしれませんが、FIREすると、それはできません。FIREできるほどに、余剰資金作成能力があったわけですから、普通に仕事していれば、間違いなく余剰資金を作れます。
仕事をしていれば友達を助けられたのに、FIREしたせいで、友達を助けられません。もちろん、家族も助けられません。
まあ、どう生きようが各自の自由ですが、しかし、「FIRE」という生き方は、
・お金が足りなくなるリスク
・自分以外にお金を使えない
という問題点があることは知っておくべきだと思います。
それと、「仕事上の人間関係」もなくなります。
そもそも、仕事していると、間違いなく、人間関係が存在します。
その人間関係がポジティブであることもあるでしょうし、ネガティブなこともあるでしょう。
じゃあ、ネガティブな人間関係を回避できるから仕事をやめたほうがいいのかというと、僕はそう思いません。確かに、ネガティブな人間関係は、非常に人を苦しめますが、だからといって、人はひとりじゃ生きられません。
残念ながら、人間には「さみしい」という感情が標準OSとしてインストールされていて、そのせいで、ひとりでは生きられないようになっています。
本当に「残念」ですが・・・。
だから、結局、仕事をやめてしまうと、
・お金が足りなくなる
・自分以外を助けられない
・人間関係を失う
この3つのリスクがあります。
さて、前置きが長くなりましたが、僕としては、こういったリスクがあるので、いつまでも働き続けること(=生涯現役)を目指しています。「生涯現役」こそ、僕の生きる道です。
で、せっかく「弁護士」という資格があるので、この資格を活かしたいと思うのですが、この「弁護士」という資格を活かす場合、伝統的に、独立して自営業となることが一般的でした。
最初は雇われで働いて、その後、独立して自営となるのが、まあ、ここ数十年くらい、多くの弁護士が通る道でした。
でも、です。
僕は、ずっと雇われで働きたいんです。というのも、「自営」のリスクを負いたくないからです。
「自営」は、売上の責任を背負うことになります。その責任の対価として、売上の分配を決めることができます。
売上に責任を負っているからこそ、「従業員には少しで、自分にたくさん」と売上を好きなように分配することができるのです。
ただ、売上がなければ、自分の収入が減ります。従業員には、雇用契約に基づいて給料を支払わなければなりません。売上に変動する内容で雇用契約を結んでいれば、給料を減らすこともできますが、そうでなければ、売上が減ったからといって、給料を減らすことはできません。
したがって、売上が減れば、自分の収入が減ってしまいます。で、売上が減りすぎて、従業員の給料や家賃などの経費が払えなくなったら、事務所をたたむことになります。
経費よりも売上が少ないのであれば、そのビジネスは失敗です。そのまま続けていても、最終的に、自分の生活費すら賄えなくなるからです。
自分の生活費を賄えなくなる前に、事務所をたたまなきゃいけません。
「独立」「自営」というのは、こういったリスクを背負うわけです。
このリスクと引き換えに、売上の独占というリターンを得るわけですが、僕は、お金に興味がないですし、欲しい物もありません。
そりゃあ、お金はどれだけあっても邪魔にはなりませんが(預金口座に100億円のデータが入っていても、全く「邪魔」ではありません)、だからといって、「ほしい」とは思いません。
高級な食べ物をどうしても食べたいわけではありませんし(マクドナルドのハンバーガーがおいしいと心から思います)、広い家を見たら、「この部屋に僕は何を置けばいいの?」と思ってしまうタチで、広い家も不要です。
洋服も高級なものはいりません。この前、全身ユニクロとジーユーの洋服でお店に行ったら、「めちゃくちゃおしゃれですね」と言われる始末です。パンツと靴も含めても、全身で2万円未満のコーディネートだったんですが・・・。「もっといい洋服着たいな」なんてのも思いません。
「良いスーツ着たいな」も思いません。むしろ、躊躇なく捨てられる値段のスーツのほうが、着古したら捨てて、新しいスーツを買えるので、「良いスーツ」は、むしろ害悪とも思います。
このように、僕はお金に興味がないので、「お金」を目的に、独立→自営に移行することはありません。
ただ、「経営」には興味があるので、若いうちに「経営」しておきたいなとは思う自分もいます。
「ずっと雇われで働く」という生き方は、「若いうちに経営する」という人生を諦めることを意味します。
「若いうちになんでも経験しておけ」というおじさんもいて、それはそれで真実だとは思いますが、なんというか、「自営」になると、「雇われ」には戻れないような気がします。
いったん自営を経験した弁護士が、雇われに戻るのは、たいていは、経営に失敗したからですが、経営に失敗した弁護士を、僕は雇いたくありません。
普通に仕事していれば、そんなに経営に困らないはずで、経営に失敗した弁護士は、眉唾で見られてしまいます。だったら、最初からリスクを背負って経営に手を出さなくてもいいな、と思ってしまいます。
そして、「雇われ」って、結構いいんです。「自営」だと、人間関係がものすごく大切です。誰がどこで売上を持ってきてくれるかわかりません。
色んな人と話して、関係を作って、そんな人生になります。簡単に事務所を移転するなんかできません。自分の人生を、独立して設立した自分の事務所に縛り付けることになります。
でも、「雇われ」だと、いろんな場所で暮らすことができます。弁護士って、かなり需要があるみたいで、日本全国に視野を広げれば、いくらでも求人があります。
で、僕は、ある程度仕事できるほうのようなので、だいたいの職場で働けると思っています。そりゃあ、最初は何もわからないでしょうが、ゼロから勉強すれば、ある程度わかるようになる自信もあります。
(まあ、かなり大変ですが・・・。でも、今は、上司がパワハラできないので、ガン詰めされることはありません。いい世の中です・・・。)
「若いうちに経営する人生を諦める」のも、なんかイヤなんですが、だからといって、「自営」で、自分から人生の選択肢をわざわざ狭める必要もないとも思います。
難しいですね。
まあ、簡単に結論は出さず、これからも考え続けようとは思いますが、しかし、80歳まで雇われで働こうと思うと、当たり前ですが、自分より随分年下の経営者に雇われることになります。
今この瞬間に生まれた赤ちゃんは、僕が80歳の頃に、48歳になります。だから、今この瞬間に生まれた赤ちゃんに雇われるようになることを覚悟しておく必要があるのです。
そう考えると、今この瞬間に生まれた赤ちゃんの考えに迎合できるようなマインドが必要です。「最近の若者は~」なんて言っていると、雇ってもらえません。
もちろん、80歳の僕を雇用する理由は、僕が培った経験を利用したいからでしょうが、だからといって、ふんぞり返っていればいいわけではありません。
経営者に雇われているという事実は、80歳になっても変わりません。経営者理念に沿って、日々の業務をこなさなければなりません。
今この瞬間に生まれた赤ちゃんが、僕と同じマインドセットで大人になるはずもなく、人生観や仕事観が、大きく違うに決まっています。
その「違った価値観」を受け入れ、なおかつ、その価値観を学ぶ姿勢でいることが、本当に大切だと思います。
「生涯現役」を実現するには、何歳年下であろうが、経営者のマインドセットを学ぶ心意気が必要です。
「生涯現役」は、豊かで幸せな人生を送る前提になっていると僕は思っていて、そうすると、「自分」を持ちながらも、いろんな人の価値観を受け入れ、学ぶことが不可欠です。
相手も、自分と同じ人間であるから、自分と同じように尊重する、という当たり前の思想を持ち続けることが、僕の人生の基本になりそうです。
それではまた次回!・・・↓
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