盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます。音量に注意してください。>

 

本町で用事を済ませ11時半。

「そばが食べたい」

車で数分の寺町通りへ。

 

弘前市の寺院群がよく知られているが、

盛岡にも二つの寺院群がある。

街の南に寺ノ下寺院群と呼ばれ大慈寺、鉈屋町界隈に寺院が建ち並ぶ。

もう一つは、北山寺院群と言い、北山、名須川町界隈に多く建っている。

北の方は、日本の道百選に選ばれた通称寺町通りが中心。

 

 

この通りに面して蕎麦屋がある。

明治の44年創業の製麺業者として創業した「赤喜商店」。

十数年前から製麺だけではなく蕎麦屋を開いている。

初代社長が「喜六」という名。

それで自社の麺を提供する店が「そば処 喜六そば」。

営業は昼時だけだ。

 


 

 

Be My Love · Keith Jarrett

 

 

歴史を感じさせる店構え。

しばらく眺めていた。


 

美味しいに違いない、と思ってしまう。

 

 

長い間、数えきれないほど寺町通を行き来している。

しかし、喜六そばを食べに入ったのは2021年。

店の中で出汁の削り節や麺などを売る店だと信じ込んでいた。

それで十数年も知らなかったのだ。

 

 

昼前でもテーブルは少しだけしか空いていない。

 

 

初めて来た時は冷たい蕎麦。

二度目は温かい蕎麦。

メニューには、その二種類しかない。

 

「お決まりですか?」

「温かい蕎麦で。」

「承知しました。」

「あの、あずきもちもお願いします。」

と付け足すと、

「あっ、セットになっています。足りない時は追加して下さい。」

そう言えばセットでニシンもつくのだ。

 

待っている間、自分のブログを見た。

2021年11月25日が初めてだった。

いったい何を書いたのだろう?

見てみた。

 

高校生の頃、授業時間がやたら長く感じていた。

当時、一駅だけの汽車通で乗る時間は7、8分ぐらい。

ある日、改札口に駆け込むやいなや出発のベル。

必死で乗り込むと、後ろから押され、デッキの辺りは鮨詰め。

再び凄い勢いで押され、車内に向かう通路に。

いつの間にか体勢が逆になっていた。

向き合った人とカバンが持つ手ごと絡まってしまった。

列車は動きし出した。

カバンを持つ手が手が交差したまま。

その人は一瞬、こちらを見て俯いた。

私の体の全てが脈打つ心臓になり、額から汗が噴き出る。

向き合っているのは同級生だった。

後ろ姿を見つけると急ぎ足で追いかけた。

おはようと言おうと思うが、声をかけれずに過ぎた一年。

ところが今、カバンが絡み合い、時々、その子の頭が左の肩に触れる。

カバンを自分の身体に寄せようとすれば、その子の手がこっちの腰にあたる。

駅に着くと、体中の力が抜けそうになった。

ぞろぞろと列車から下りて行く。

自由になった途端、心の中に空洞。

たった数分のことだが、やたら長く感じた。

 

年を重ねて同級会で会うと冗談を言い、

肩を叩かれても、あの列車の頃に戻るわけでもない。

それに彼女は、もう忘れているかもしれない。

時が流れ、自分にだけ残る数分の出来事。

 

そんなことがあった。

先月、その子にミニクラス会で一緒だった。

 

「お待たせしました」

来た来た!

 

 

品がよく、とても細いそばに、

出汁のきいたつゆよくが絡む。

そば好きにはたまらない。

とても美味しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校時代の頃、

圧倒的に、そばより中華そばだった。

気がつけば大のそば好きに。

近くのテーブルの若いカップル。

男性が店のスタッフに声をかけた。

「おかわり、お願いします。」

冷たいそばを食べていた。

なるほど、ここでは2枚ではなく、おかわりなんだ。

 

 

 

そば湯を飲みながら思う。

盛岡は、本当に美味しいそば屋が多い。

それにしても、喜六そばは、寺町通りによく似合う。

 

 

 

にほんブログ村 グルメブログへにほんブログ村

にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 盛岡情報へにほんブログ村

にほんブログ村 スイーツブログへにほんブログ村

にほんブログ村 グルメブログ 東北食べ歩きへにほんブログ村

美味しいものなんでも大好きグルメなコミュ グルメブログ・テーマ
美味しいものなんでも大好きグルメなコミュ

PVアクセスランキング にほんブログ村