盛岡食いしん爺日記
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小学生の頃、
遊び疲れて家に帰った時、
カレーの匂いがすると、
台所を覗いた。
母が言う。
「ランドセルを置いて、手を洗いなさい」
そんな時は素直に頷いた。
たいていの人が思い出のあるカレー。
先日の昼時、カレーが食べたくなった。
というよりCHALTEN(チャルテン)の横から入り、
裏に広がる駐車場に車を停めた時、
スパイシーな香りに心掴まれた。
旧町名葺手町は青海波模様の路。
入ろうとして小さいが凛とした蓮に目が止まった。
メダカが泳ぐ。
チャルテンの入口に小さな楽園。
涼し気で、ますますカレーに惹かれた。
Melodía del Río · Rubén González
チャルテンの中は、
オーナーの手作りの椅子などが並び独自の雰囲気がある。
心地のよい温もりがいい。
サラリーマン時代、
ランチ時にカレーが食べたくなると足を運んだ。
一人でも男女問わず落ち着いて食べられる。
カレーに纏わる思い出は多い。
高校3年の時だった。
歩いて数分の友達の家に行った時、
夕飯を食べていけと言われてご馳走になった。
友達が、うちでは「わんこカレーなんだ」と笑う。
お母さんが、大きな鍋を彼の部屋まで運んできた。
テーブルにどんと存在感のある鍋と電気釜。
彼が、少し底のへこんだ皿にご飯をよそう。
続いてたっぷりのルーをかける。
「さあ、食べようぜ!」
スプーンを持った。
「はい、どんどん!」
と言われ、皿を出す。
そのうち、自分でよそってくれと言われた。
2人とも4、5回はご飯をのせ、その度にたっぷりルーをかけた。
黙々と食べ、満腹になり寝っ転がった。
流石にルーは残ったが電気釜は空だった。
「お待ちどうさまでした。」
野菜カレーがきた。
ルーの海、白いご飯の砂浜に寝そべる様に並ぶ野菜たち。
食欲がそそられる。
一つひとつの野菜が美味しい。
勿論、ルーを浸したご飯は、どんどん消えていく。
いつもの様に美味しい!
好みの辛さに頼めるが、未だに初心者。
食べながら「夏こそカレーだ!」と思った。
あっという間に完食。
元気になって「ごちそうさまでした!」
このところ陽が落ちても暑く、
夏の夕涼みとはいかないが、
帰りにも見た小さなオアシスに癒された。
意外にカレーの専門店は少ない盛岡。
私には貴重な店の一つチャルテン。