盛岡食いしん爺日記
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どうも近年、夏が来ると億劫になる。
立葵、朝顔、夕立なんて言葉が遠く、忘れそうだ。
北国の街盛岡ですら、6月から暑い。
道端の紫陽花も苦しそうだ。
街頭から聞こえてくる「私に一票を!」の声。
私には「減税だ、ばらまきだ!」とテレビでもそう聴こえてしまう。
カットしても業績のよくない日産自動車の社長は4億円近いそうだ。
なんだか呆れてしまう。
トヨタの会長は20億円近くなそうだ。
もう言葉もない・・・
勿論、累進課税で税金も凄い額なのだろうが、
それにしても・・・
こんな愚痴めいた話から始まった盛岡食いしん爺日記。
先日の夕飯は「むら八上田店」。
Tenderly · Rosemary Clooney
相変わらず落ち着く雰囲気。
席と席がいい距離で並ぶ。
ゆっくり食べて欲しいとの思いが現れている。
入口にある待つ人のスペースもゆったり。
旧町名生姜町に1937年(大正12年)に創業。
当時の人気はかつ丼だったそうだ。
その後、南大通に移転し、本格的な洋食屋となった。
1950年代に横綱柏戸関の一声で、
わらじの様に「わらじかつ」が始まったという。
上田店のはじまりは1978年。
そしてリニューアルし、
郊外型のレストランむら八上田店としてとんかつ中心の店となった。
今の形になり、もう30年近いハレの日の陽食屋 むら八上田店。
南大通の店がいつまで営業していたのかは分からない。
何度か宴会があり、行ったことがある。
店の中に紅い太鼓橋があり、
歴史のある料亭の様に感じた気がする。
オーダーするとおかわり自由のキャベツがたっぷり。
2種のドレッシングから選んで食べる。
イカフライがあり、注文した。
活きのよさを感じ、ほどよい甘味。
美味しい。
「ネギみぞれかつ定食」の登場。
その日、最後の茶碗蒸し。
ラッキーだった。
皿の上に敷かれたキャベツにサクサクのかつがのる。
そして、たっぷりの大根おろしとネギ。
てっぺんにレモンがのり、生姜とにんにく。
涼しげな姿で、猛暑を乗り切る夏メニュー。
長い歴史のある老舗は伝統の味を守りつつ、
新しいメニュー作りなど研究や挑戦を続ける。
そして、店で働く人たちの笑顔もいい。
心の籠った料理と接客。
今も人々を惹きつける。
それらが、長く続くことの必要条件なのだろう。
ご飯も味噌汁もおかわりできる。
以前はおかわりしたものだ。
今宵も美味しい料理で元気をもらった。
家に帰るとルハン君。
「帰って来たのか」
とこちらを見る。
額、顎、首と鼻の頭を撫でたら目を閉じた。
そのまま寝てしまいそうだ。
狭い籠に無理やり入ってご満悦。
猫のいる暮らしに癒されてばかり。
お休みなさい。