盛岡食いしん爺日記
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盛岡市の古い街、肴町にある行列のできるラーメン屋「たかみ屋」。
1943年の創業。
屋台から始まったそうだ。
それから80年と長く地元の人に愛されてきた。
1年近くかけて店を改装。
2024年の9月にリニューアルオープンした。
一昨年の7月の始めに来て以来だ。
再開したのは知っていたが、
ランチ時間は長い列。
滅多に並ぶことのない私は、何度も通り過ぎた。
先日、ランチを食べそこね2時過ぎに近くにいた。
この時間でしかも平日。
外に人も見かけない。
チャンスとばかり暖簾を潜った。
Again · Eddie Higgins Trio
店の中は様変わりしていた。
楕円形にカウンター席が並ぶ。
入って右側にテーブル席。
昭和な世界から現代的な雰囲気になっていた。
それでもカウンターで高齢の女性も一人で食べている。
その日はさほど暑くなく、
エアコンもきいているので懐かしい熱々のうまにラーメンにした。
そう、これこれ!
熱々なので頬が疲れるほど、ふ~ふ~する。
とろとろの餡に入るのは、
白菜、玉ねぎ、ピーマン、ニンジンと小さな豚肉と木耳。
変わらずに野菜たっぷりで嬉しい。
鶏ガラと豚骨ベースのスープは甘じょっばい。
濃い目なのだが食べ進むうちに丁度よく感じる。
昔、一緒に関西の人と食べに来た。
始めは驚いていたが、完食した。
初めて来たのはサラリーマン時代に先輩に連れられてきた。
先輩は、ラーメンだと早く出来上がると教えてくれ、
食べながら酢を入れていた。
もう30年以上も前、
よく雫石スキー場にナイタースキーに行った。
そろそろ営業も終了で最後の一本を滑り終えてくると、
後始末をしているおばさん達が話していた。
「そろそろ、たかみ屋のラーメン、食べたいね。」
「いいね、いいね。」
そんなやりとりを聞いて仲間と笑ったものだ。
餡が細麺によく絡む。
この味は2年ぶり。
美味しい!
野菜も麺も無くなった。
でも、スープをすくうレンゲがなかなか止まらない。
何杯も飲んだ。
昔もそうだったと思い出した。
連れてきてくれた先輩はもういない。
一緒に食べに来た色々な人の顔が浮かぶ。
現代的な店になっても懐かしさを感じてしまう。
食べに来る人や変わらない味のせいだろうか。
会計して言った。
「変わらず、美味しかったです。」
2度ほど休業したものの脈々と続くたかみ屋の味。
半月もすれば、また食べたくなるだろう。
そんな気がした帰り道。