盛岡食いしん爺日記
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5月6日、
ゴールデンウイーク最終日。
曇り時々小雨。
4月26日にも来たが、再び西和賀を訪れた。
岩手で最も遅いと言われる西和賀の春。
前も来たカタクリの群生地安ケ沢へ。
駐車場の雪もなくなり、数台の車が停まっていた。
鬱蒼とした杉林に入って行く。
先を歩く人影も見える。
Gabriel Fauré - Sicilienne, for cello & piano, Op. 78 John Atkinson Grimshaw.
どうだろう。
杉林を抜けて森に入る。
雨上がりの少し靴が沈む道をゆっくり歩く。
雪が消えた地面が紫に染まっていた。
紫の妖精、貴婦人とも言われるカタクリが一面に咲いていた。
ところが皆、俯いている。
時々ぱらぱらと雨粒。
かえって際立つ紫。
咲くまで8、9年も地下に眠る。
花言葉は「初恋」と「淋しさに耐える」。
俯いている花は、切なさを抱えている様に見える。
このまま花も散ってしまうのだろうか。
俯く花には初恋が似合うが、一方「嫉妬」という花言葉もある。
今日は、散り際の淋しさを感じた。
カタクリを見てB&B「Katasumi(カタスミ)」へ。
昨日、ベーグルとクッキーを頼んでおいた。
西和賀沢内を走る幹線道路から湯田方面に向かって左折。
車1台が通れる幅の橋を渡る。
稀に対向車があると、譲り合いながら渡る。
十数件が建ち並ぶ集落の一番東にカタスミがある。
車を停めると、奥さんが出て来た。
「いらっしゃい、カタクリはご覧になりました?」
4月下旬に来た時は早すぎたが、
今日は咲いていたと言った。
「そうですか、よかった」
「でも、みんな俯いていて、そろそろ散るんでしょうか?」
奥さんは笑みを浮かべながら、
「カタクリは、雨模様の日は下を向くんです」
「そうなんですか」
「パアッと晴れると、空に向かいます」
残雪の残る3月の半ば、
ここでスノーシューの体験をして西和賀の魅力を教わった。
木工のノッカ、ワラノウエなども知った。
先日、ノッカに行き、
奥さんが始めた草薬庵に行ってきた。
今日は、久し振りにwaranoueに寄ってギャラリーを見たい思っていた。
スノーシューを脱いでから、
肉の加工をしている伯楽にも連れて行っていただいた。
カタスミを知ったのは、
逝ってしまう最後に町の時を知らせるチャイムに合わせて
鳴いたワンちゃんだった。
<詳しくは、この記事に>
カタスミの夫妻をはじめ、
錦秋湖畔の眺めのよいネビラキカフェのオーナー夫妻。
湯本温泉街のお菓子処たかはしの奥さん。
色々な方から西和賀の自然、美味しい物などを聞いた。
ちょっとした旅に美しい景色、美味しいもの、
それに人と会い、新たな出会いもあったりすると、
心ときめき、豊かな一日になる。
カタスミの奥さんと、
出会いの頃の話をしたり、
その日、伯楽でイベントがあることを聞いたり、
楽しいひと時を過ごし、
焼きたてのベーグルとクッキーを受け取った。
焼きたてのいい香りを車に乗せた。
カタスミを後にして、伯楽により、
その後、遅い昼食を利久庵で食べた。
少し戻って来てワラノウエにも寄ってみたが留守だった。
帰ろうとした時、丁度オーナーの車が帰って来た。
ゴールデンウイークもイベント出店し、忙しかった様だ。
子供達を連れて出かけ、戻って来たところだった。
少し話すことができた。
せっかくの休日、会えただけで十分だ。
西和賀は、2度来たが、まだ回り切れていない。
だんだん寄りたい場所が増えるばかり。
また来ようと思い盛岡へ向かった。
翌日の朝、カタスミのベーグルとチョコチップクッキー。
ベーグルはシンプルながら、
噛むほどに滲み出る仄かな甘味を感じ、
とても美味しい。
西和賀の里が思い浮かぶ。
食後にクッキー。
今日は朝から太陽も顔を出し、格別の一日の始まりになった。
<ベーグルは予約注文で焼いてくれます。>