盛岡食いしん爺日記
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月が雲に隠れた。
それでも月光は地上に届く。
静かな夜だ。
雫石町の温泉の帰り、
国道46号線を走ってきた。
血流がよくなり、一緒の人は肌艶がよくなった。
5、6才ほど若返った感じ。
そのことを伝えると笑って、
「ラーメン食べに行きません?」。
それで決まり。
盛岡の街に入った。
4車線の国道は、跨線橋でJR東北線を越え、
北上川に架かる夕顔瀬橋に向かう。
かつてこの道には、
開かずの踏切があり幅も狭かかったが、
色々な店が建ち並んでいた。
今は夜になると暗く、あの頃の面影はない。
旧道の中ほどに来ると、雲間から顔を出した月の様に
灯りが外に零れる店がある。
今宵も様々な人が集まって来る。
RA-MEN IKKEN(ラーメン イッケン)の灯りだ。
Everything Happens To Me · Scott Hamilton
自家製の麺で化学調味料などは使わない。
目立つ壁の時計。
朱は午前、夜の部は黒の数字。
この営業時間を示す時計にオーナーのセンスを感じる。
時計の下の黒烏龍茶とルイボスティーは、
サービスで飲み放題。
この心遣いも嬉しい。
一緒の方はイッケンのファン。
煮干し出汁のラーメンで平打ち縮れ麺。
ここでは麺を選べる。
それにメンマを足した。
隣のテーブルにアジア系の人達。
色々と質問している様だ。
スマホを見ながら調べているのだろうか。
しばらくして券売機の前に立った人が4人分買った様だ。
楽しそうな人、ちょっと不安げな人もいる。
私の塩ラーメンとキーマカレーがテーブルに置かれた。
隣からチラチラ見ている。
それはそうだ日本の盛岡にまで来てラーメンが初めてだとすれば冒険だ。
見ているうちに安心してきた様で笑顔も零れだしている。
麺はストレートにした。
綺麗なラーメンだ。
スパイスのいい匂い。
本格的なキーマカレー。
ラーメンを食べ始めると、
透きとおったスープは、深みのある味。
飲み干してしまうだろう。
麺はもちっとしてキーマカレーの匂いに負けず小麦が香る。
美味しい~
チャーシューは、あっさりとした鶏のたぶん胸肉と、
しっとりとした豚のロースの2種。
どちらも噛むほどに肉の旨味が滲み出る。
長い穂先メンマは言うことなし。
スープ、麺と具材のバランス。
ただのラーメンではない、イタリアンぽい雰囲気も感じる。
行列のできる人気なわけだ。
食べ始めてから殆ど向かいの人と話もしなかった。
「夢中で食べましたね」と笑った。
隣のテーブルにラーメンが置かれた。
食べ始めると、笑みが零れだした。
さて、外で待つ人もいる。
草々に立ち上がった。
店を出ようとしていると、
海外から来た人が追加でキーマカレーの券を買っていた。