盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
まだ朝晩の風は冷たく、ダウンを離せない。
いつ買ったか、忘れてしまうほど前に買ったダウン。
3つのタイプを持っているが、
どれも10年、いやもっと古いと思う。
特に物持ちがよいわけでもない人間だ。
新しいのを着ていないが、
昔のダウンは厚手で温かいと勝手に思っている。
Moanin' Art Blakey and the Jazz Messengers
Lee Morgan, Benny Golson, Bobby Timmons and Jymie Merritt
その夜も着て出かけた。
宴会は盛り上がり、その後2次会。
珍しくJAZZBarへ。
場所は盛岡の繁華街の大通りを真ん中から縦に割る映画館通り。
昔は、数々の映画館が建ち並んでいた。
その通りの南の方にあるビルの2階の「パノニカ」へ。
4人で行ったが、先頭をきる人のボトルが入っているそうだ。
私は初めてだと思う。
というのは、30代、40代の頃、
飲むと言えば大通りへ来た。
裏の路地のビルに入った。
思い出せないほど多くの店で飲んだ。
だからあまり各店の記憶がない。
中に入ると、
忘れかけていたいい雰囲気。
いい具合に流れるJAZZ。
時々、軽やかな笑い声。
マスターがお客さんとの軽妙なやり取り。
あの頃、スナックによく行った。
ボトルを入れ、
数人で代わる代わる歌。
つきものだった。
誰かの歌が終わると、
歌い出しだけしか聞いていないのに皆で拍手。
マイクがあちこちに回る。
そんな頃、
ある先輩に言われた。
「そろそろ、Barに行きなさい。」
今もそう言った尊敬する人の顔がはっきり浮かぶ。
JAZZBarを指していたわけではないだろうが、
パノニカも語りたくなる雰囲気だ。
私は珈琲を飲んでいたが、
チャージは、チョコレート。
丁度よかった。
ほかの人達は、なんと「マッカラン」。
名の知られた高級なウィスキーだ。
少し残っていたが、ポンと次を入れた。
ストレート、ロック、水割りと思い思い。
熟成されたシングルモルトで、
フルーティで確か香りがいいのだ。
ウイスキー界のロールスロイスと言われる。
スナックを渡り歩いていた頃は知らなかった。
お金がある時は、ジョニ黒は無理で赤やホワイトホース。
ない時はサントリーの角瓶。
瓶の首に巻きつく名札。
皆の名前で入れたっけ。
味わう飲み方ではなかった。
食べ物もあり、
ナポリタンを食べたい3人で分けた。
粉チーズをたっぷり。
青春の味だ。
店の中で知り合いもいたり、
マスターと話したり、
ちょっと真面目な話もした。
気がつくと、11時近くになり、店を後にした。
ドアを出ると冷たい空気。
それでも寒くない。
沢山食べたことと、厚手のダウンのおかげだ。
解散して昔を思い出しながらの帰り道。
盛岡市菜園2丁目バーセル2階
(映画館通り)
珈琲洋酒 パノニカ