盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
時々無性に蕎麦が食べたくなる。
仕事帰りに十割蕎麦の「新山亭」へ。
Casiopea - Mint Jams (1982) FULL ALBUM
子供の頃、蕎麦は月に一度ぐらいしか食卓には上らなかった。
母が作った蕎麦のつゆが甘めだった。
煮干しの出汁はきいているのだが、ごろんと煮干しも。
「栄養があるから食べなさい!」が口癖。
中学時代に2年近く今の八幡平市で暮らした。
卒業して花巻に引越したが父だけ単身赴任。
私には年の離れた従弟がいた。
夏休み、冬休みと関東からよく兄弟で遊びに来た。
年末に父は八幡平市の農家の方が打つ蕎麦を持ってきた。
賑やかに年越し蕎麦を食べた。
十割蕎麦で、湯がいてさっと食べないと、
ぽろぽろと切れ、とけてしまう。
父が目の前で湯がいて大きなざるにのせる。
それを一斉に食べる。
つゆも父の手製。
従弟の下の子が小学生で蕎麦好きだった。
薬味はネギとちぎった海苔。
黙々とわんこ蕎麦の様にお代わりして食べた。
あの真剣な眼差しが忘れられない。
もうその彼も社会人になった娘の父親になっている。
十年以上会っていないが、
今も蕎麦が好きなのだろうか?
一緒に仕事してきた人も蕎麦好きだ。
山菜蕎麦を食べている。
これだけわらびが入っていると美味しそうだ。
私はかき揚げ蕎麦。
カリッと上がったかき揚げ。
そばつゆに染みて柔らかくなった下から食べる。
風味よく美味しい。
喉越しもいい。
食べた後、食器を返却しながら店の人に聞いた。
「蕎麦はここで打つのですか?」
「はい、毎朝、打ちます。」
「美味しかったです!」
「ありがとうございます。頑張ります!」
ちよっとした会話が、ますます後味をよくする。
もう父の蕎麦の味を忘れかけている。
そろそろ従弟たちに逢うのもいいなと思った帰り道。