盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
数日前、雫石町の鶯宿温泉に向かった。
盛岡の街には雪は殆どなかった。
国道46号線を西に走ると、
繋温泉の辺りから雪景色に。
モノトーンの世界に。
蘇った雪景色。
鶯宿温泉の川長に着く頃には雪は止んだ。
源泉かけ流し。
いつも内風呂いっぱいにお湯が張っていて、
入ると自分の体の分、
お湯が溢れ出し、流れる音。
フロントで許可をとった。
一人の時間があり、露天風呂を撮った。
3月半ばの雪見風呂。
四肢を伸ばす。
顔にあたる風は冷たいが、
じわじわと身体が芯から温まる。
思いたったら盛岡から約45分。
ちょっとした贅沢だと思う。
バドミントンのやり過ぎのせいで少し痛む右肩と右膝。
3つの風呂に入る。
痛みが和らいでいく気がする。
Gipsy Kings Inspiration
<音楽が流れますも音量に注意>
今年こそは「川長」でランチと温泉を楽しみたい。
盛岡へ帰ると、
やはり、雪はない。
ゆっくり浸かってきたら、
思いっきりそばが食べたくなった。
本町にある創業四百年の橋本屋本店へ。
橋本屋の始まりは、
中津川の擬宝珠のある上ノ橋の袂にあったので橋本屋。
中に入り、少し廊下を進む。
左手にまた引戸がある。
ざるそばを心おきなく食べようと思って入ったが、
メニューを前にして迷い、悩む。
温と冷が食べられるミニそばのセット、
カツ丼や天丼、牛丼などのミニ丼とそばのセットもある。
中華そばやワンタンメンも人気だ。
初志貫徹だ!
大ざると天婦羅の盛り合わせを頼んだ。
自分でもなかなかいい考えだと思ったが、
「まてよ、大天ざるってことかな?」
まあ、いいことにしよう。
来た来た!
想像を越えるそばの盛り。
そば猪口が小さく見える。
美味しい!
黙々と食べるが、なかなか減らない。
それでも飽きないそば。
海苔もてっぺんに深く積もっていた。
橋本屋では薬味が山葵だ。
盛岡界隈のそば屋では
よく権八(紅葉おろし)も見かける。
岩手でも旧伊達藩の県南と南部藩の北では
言葉も食文化も違う。
子供の頃は、そばと言えば山葵だった。
小学生の頃、
出前の天ぷらそばがつゆを吸い込み
太くなったそばと色の変わった海老天。
何せ店から数百メートルの距離で次に麓から丘を上る。
三段に重なる住宅の一番上だった。
四、五階建てのビルぐらいはあった。
母は、出前を頼まなくなったが、
下の街の店で食べる生そばや中華そばはご馳走だった。
昔はもっと太かった気がする。
細くなり、いっそうつゆが絡み
さらに美味しくなったと思う。
天ぷらの盛り合わせも美味しい。
天ざるの天婦羅より、
品数が多いのだろうと勝手に思った。
いつか天ざるも食べてみよう。
しかし、天婦羅とそばは良くあうものだ。
ペロリと完食してそば湯を飲む。
大切に使い古くなったせいろもいい味を出している。
大満足で立ち上がった。
「会計、お願いします、美味しかったです!」
いつもより気合が入っていたかもしれない。
「そばなら毎日食べてもいい」
と話していたある人の顔を思い出した帰り道。
盛岡市本町通
橋本屋本店