盛岡食いしん爺日記
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たぶんこれで今年の新年会は最後だろう。
今年は色々と誘っていただいたが、
あまり出られなかった。
場所は松尾町の割烹 惣門。
盛岡劇場の並びにある。
毎年、この界隈に縁のある人達が集う。
When I Fall in Love · Carmen McRae · Heyman
ノンアルコールビールで食べる料理が楽しみだ。
乾杯の後、それぞれの近況や街の情報が語られたり、
今年の抱負を話す人も。
早速、箸を割る。
先付けにしても手の込んだ料理の一つひとつが嬉しい。
新春の喜びが溢れている様だ。
目から楽しませてくれる。
白子とあん肝。
冬の味覚を楽しむ。
ある人が言った「先代の味がする」。
彼も父と同じく岩手県の卓越技能者(青年)に選ばれたり、
若手料理人として全国的な料理コンテストにチャレンジしたり、
と活躍中。
父の背中を追い、自分らしさを探求している。
丁寧に一つひとつ手間をかけた料理。
20人近い分を一人で調理する。
勿論、お母さんの手も借りるが、これは大変な技だと思う。
奥のカウンターで、お母さんと少し話した。
もう、10年以上お世話になってきた。
特に盛岡劇場にお世話になっていた頃は、よく来ていた。
何せ盛劇界隈のことも殆ど知らなかった。
色々と教えてもらった。
席に戻って鍋から取り皿によそる。
おかわりしてどんどん食べる。
賑やかな中、そろそろ中締めの時間。
その夜、各方面の方々が出席していた。
惣門の近くにあり、
IТ関係、老舗和菓子屋、政治にかかわる人、
歴史のある染物屋さんなどや
あのいなだ珈琲舎のマスターもいて多彩な顔触れが揃う。
今回は、未参加の方々もまだまだいる。
初めてお会いした方がいた。
岩手高校近くの「HITONOKI」にも店舗がある。
例えば「HITONOKI」の店では、
幾つかの落ち着く空間があり、シェアサロンになっている。
ひと口で言うと、
働きたい人がリラクゼーションスペースを借り店舗に出来る。
そういう感じだと思う。
私の勝手な想いだが、若き経営者には共通点がある様だ。
穏やかな雰囲気の中にも芯があり、
自分なりの哲学をことさら振り回すわけでもないが、
尋ねられたことには適確に答える。
人が自然に寄って来る感じがする。
一度会うと、もう少し話してみたいと思った。
まだまだ日本も岩手も捨てたものじゃない。
なんだか私まで、うきうきしてしまう。
宴席も終わり、外は雪だった。
ふと、いつも微笑みを忘れなかった先代と2代目が
一緒に調理した鰻の味を思い出した。
あれが最後になったが食べておいて良かった。
勿論、美味しかった。
<その時の鰻の写真>
肝吸いに入っていた結んだそうめんを覚えている。
写真を撮っておいて良かった。
外は寒かったが、
惣門の2代目の今後の味が楽しみだ。
そして、次の世代の人達に期待感を抱きながらの帰り道。
割烹 惣門
岩手県盛岡市松尾町5-2