盛岡食いしん爺日記
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年が明け、日常が戻ってくると、
中華そばが食べたくなった。
支那そばの「はすの屋」へ。
何度も店の前は通っていたが、
昨年の秋以降、来た記憶がない。
外観が奇麗になっている。
Everything Happens to Me · Wynton Marsalis
カウンターだけの店。
端っこから2番目の席が空いていた。
2時半でもほぼ満席の人気店。
ゴールデンウイークなどは行列。
「あら?いらっしゃい」
肉麺の食券を置いた。
たやすく箸で千切れるチャーシュー。
脂身はマイルドで、どんぶりを覆うほどの量でも食べ飽きない。
あっさりとしながら深いコクのスープ。
スープ、メンマときてチャーシューを一枚。
スープ、スープで麺。
海苔を食べスープで麺。
麺がつるりと喉を通る。
美味しい~
チャーシューの炊き込みご飯はサービス。
ほかのお客さんの支那麺を作り終え、奥さんがきた。
「どうです。」
「いつもの味です。」
「よかった」
にこにこしながら、
「最近は、忙しくしていらしたの?」
復調して今ではバドミントンをしていると告げた。
「雪の嫌いなワンちゃん元気ですか?」
と聞いてみた。
相変わらず雪が降った後は、
ガンとして散歩には体を必死に傾け抵抗するそうだ。
<以前に撮った写真>
無垢で純粋な眼差し。
道路に雪のない日は張り切って散歩に行くという。
「もう何年になります?」
「20年・・・」
「いやいや、そんなもんじゃないですよ。」
「あっ、そうか27年には、もうすぐ30年だわ」
と笑う。
夫婦二人で全国から醤油や煮干しを取り寄せ、
小皿にのせカウンターに並べ試食。
それを何度も繰り返し辿り着いたはすの屋の味。
ところが数年して、
しばらく濃紺の大きな暖簾が出ない日が続いた。
2週間ぐらいして暖簾が出た。
それから、旦那さんを見ることはなかった。
いつだったか奥さんが話していた。
二人で一生懸命作り上げた味だから、
私が一人でも作ることができたと。
スープまで完食して席を立った。
その日の夕方、盛岡八幡宮へ。
小正月の行事、どんと祭と裸まいり。
陽が落ちて冷え切った中を歩く。
小さな子も見事に歩く。
寒中を一歩ずつゆっくり歩く。
見ている方も背筋が伸びる。
鳥居の方で、ひと際大きな声が上がった。
誰かが列の中を向こう側に渡ろうとしたらしい。
付き添う人たちが、取り囲んで押し戻す。
年に一度は見る光景。
隊列を横切ってはならない。
元いた場所に戻される。
今年もいよいよ賑わう正月も終わり、
また1年が始まる。
無病息災は、私自身にとっても特に大切な願いだ。
さて、今夜は早く寝るとしよう。
盛岡市紺屋町
支那麺処 はすの屋