盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
数年前から、
年に2度は高校時代の同級生と会う様になった。
盛岡で暮らす人達の男女合わせて7,8人。
盛岡の街を歩いたり、
ご飯を食べたりしている。
花巻の友達に会いに行くこともある。
先日、盛岡から二人で花巻に行った。
男だけ4人で呑んだ。
予定を合わせるのは、
昔と違ってさほど難しくない。
集合は4時過ぎ花巻の「茶寮かだん」。
盛岡からK君を載せて向かった。
相変わらず彼は助手席で恐縮しきり。
お土産をもらった。
「ありがとう」。
簡単に受け取る。
彼もその方が気が楽だろう。
長いつきあいだ。
ここには、宮沢賢治の設計した花壇もある。
もともと花巻の豪商で旧橋本家の別邸を一ノ倉さんが復活させた。
橋本家には同級生がいた。
茶寮かだんの本の制作を依頼され、
数十年ぶりに同級生と繋がった。
今年の5月にちょっとだけ会い、話すことができた。
紅葉の終わりを迎えていた。
賢治の設計した花壇が原型を留めている貴重な庭。
Desperado (2013 Remaster) · Eagles
<音楽が流れます、音量に注意>
門を潜り、少し庭を歩く。
一ノ倉夫妻に迎えられて中へ。
昼頃は席が空かないが4時も過ぎれば部屋を選べる。
奥さんに案内されて玄関近くの洋間に。
賢治の一番下の妹、クニさんが愛用していたオルガン。
花巻に暮らしているが、知らなかった友人も。
制作した本もあった。
歩いて数分の所に住むA君の奥さんがランチに訪れ、
買ったという。
一ノ倉さんと私は、揃ってお礼。
皆で珈琲は「ゲイシャ」にした。
また最近、手に入ったそうだ。
リーズナブルな価格で手軽に味わえる。
美味しい珈琲で紅葉の庭を眺めて優雅なひと時。
近況の話もちょっとだけ品が良くなる。
場所は、ほぼ決まっている。
H君が一応予約の電話。
こんな時は、よく気が利く。
建物の中をひと回り。
賢治が腰かけてお茶を飲んでいたという縁側から庭を眺める。
いつの時代になっても宮沢賢治の世界は、
色々な形で取り上げられる。
最近でも二つの番組を見た。
一ノ倉さんも私も一番好きな場所。
結霜硝子の部屋。
約百年前、病弱な奥さんのために建てられた別邸。
和洋のそう広くない部屋が数室。
随所に贅と匠を尽くされた各部屋。
いつも思うのだが、
なかなか外に出られない奥さんが日々の暮らしに飽きない様に、
季節ごと、時間ごと雰囲気が変わる。
スペインのサグラダファミリア協会の建築で知られる
アントニ・ガウディの
「強すぎず弱すぎもしない光が物体を美しく見せる」
と言ったことを思い出す。
いつの日も結霜硝子は、上手く光を整える。
5時になり、茶寮かだんを後にした。
もう外は暗く、4人は丘の坂を下る。
まだまだみんなの足取りは、軽い?
ん?
ひとりK君は腰を少しかがめ気味。
車の中で聞いたが、ちょっと腰をやったらしい。
今、茶寮かだんのポストカードを作ろうか、などと思案中。