盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
あっという間に10月も残り少ない。
山々の頂は初冬の気配。
まだ紅葉をゆっくり見ていない。
午前中の仕事が終わったら、出かけてみようか?
盛岡の街から1時間も走れば、奥羽山脈の懐にいる。
葛根田渓谷。
既に山の上は裸の樹々も多い。
なんとか間に合った。
紅や黄が綺麗だ。
車を何度も待避所に停めた。
トンネルを抜け、行き止まりまで来た。
ここまで来ると、十和田八幡平国立公園内だ。
鳥越の滝。
地表の奥深くから突き出てきた貫入岩。
いつも見ても人間が抗えない力を感じる。
It Had To Be You · Frank Sinatra
滝観(りゅうかん)荘に到着。
最近になって滝狭(りゅうきょう)荘も復活した。
複数の温泉地ができたことで、「滝ノ上(うえ)温泉郷」と呼べるらしい。
今日は、滝観荘。
ロビーに上がると、声がかかった。
声の方にある人がいた。
一緒の人と二人、ほんのり頬が桜色。
偶然の再会を喜ぶ立ち話。
帰る二人を見送って温泉へ。
源泉かけ流しの湯で四肢を伸ばす。
ここの湯は筋肉の疲れに効くらしい。
週三回のバドミントン。
筋肉や関節や肌が潤う感じだ。
風呂から上がり、スタッフの方と話した。
一昨日が紅葉のピークで、今年は紅がよく出ているそうだ。
11月上旬までは開いている。
<その日は、お客さんがいて撮れなかったので夏の写真>
帰りは、暗くなり出していた。
途中で片側通行。
対向車は来ないが待つ。
秒刻みで赤く点滅する待ち時間を見ていた。
忙しい時は、イライラすることもあった。
ところが、見ていると怖ろしく早い気がした。
自分の人生の残り時間が刻々と減っていく。
それを数字で見せられた気がした。
火照った体を覚ましていた窓を閉めた。
盛岡の街に戻って夕飯。
本町にある橋本屋本店。
2階の窓も明るい。
400年続く老舗中の老舗そば屋。
ここは時間がゆっくり流れている。
秒刻みの赤い文字を忘れた。
一緒に温泉に行った仕事仲間は、中華そば。
そば屋の中華そばは美味しいのだ。
あっさり系で出汁が効いている。
ここでは、キクラゲも入っている。
「チャーシューも美味しい」と目を細める。
スープもいっぱい飲んでいる。
見ていると、食べたくなる。
その夜、メニューを眺めていて気になった1,350円のミニそばセット。
店の方に聞くと、温かいそばと冷たいそばが色々楽しめると言う。
挑戦してみた。
ここでは、嬉しいことに千円を超えるメニューは数少ない。
どんなものだろう。
中華そばの数分後に登場!
中華そばを食べている人の箸も止まり、
二人で声をあげた。
大きな海老天、とろろ、なめこおろしまで。
テーブルに置いて店の方は言う。
「どうぞ、好きに食べてください」
とろろもなめこもたっぷり。
ご飯もついていた。
温かいそばは海老天そばになった。
とろろは、ご飯とそばに半分ずつ。
無論、そばは美味しい。
向かいの恨めし気な視線をものともせず、色々な味を楽しんだ。
すると、「見ていても楽しい」と笑う。
美味しかったと会計しながら話し、サービス券をもらった。
これで18枚。
あと2枚で300円引きになる。
妙に嬉しい。
家に帰ってひと息つきながら紅い点滅を思い出した。
また一日が終わる。
暗がりで減っていく赤い数字を思い出した。
その日、その時を楽しく暮らそうと傍に来たルハン君の頭を撫でた。
盛岡市本町通一丁目
橋本屋本店
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