盛岡食いしん爺日記
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10月20日、日曜日、東八幡平に出かけた。
岩手山は頂上の辺りが白かった。
裾野は紅葉の始まりで高くなるにつれ鮮やかに。
傾いた陽が、視界の全てを優しく静かに照らす。
この日、この時だけの光景なのだろう。
望遠で覗くと、岩肌や低木に雪。
晩秋から初冬の始まりを見ている。
自然は侮れないが、
噴火の警戒レベル2の山だとは信じられない。
雄大な光景を前にして想う。
ひとりの人間の小さな悩みなど塵にも似た物。
子供の頃、
誰よりも早く走りたいと思った。
数分の努力で息を切らし、
頬杖をついて動物の様に走る姿を妄想した。
思春期には、
学習の計画を作り上げると、遊びに行った。
2割の実行は2割の点数にしかなりえない。
社会人になって現実の壁を前にして妄想や夢は消えていった。
歳を重ねて先の人生が見えてきた。
先日、あるテレビドラマで男がそうめんを食べていた。
美味しそうだ。
その翌日になっても頭から離れない。
そうめんを買い昼に食べた。
ネギや茗荷を多めに刻んだ。
ことさらに美味しかった。
思いついたことをすぐ実行に移してみたら、
満足感に包まれ、幸せを感じた。
The Theme from "A Summer Place" Percy Faith
20日の目的の「ブロードヒュッテ 麦童」に着いた。
広大な別荘地の片隅にあり、ナビでも分かりにくい。
そんな場所にある日曜だけのパン屋さん。
平日は盛岡の材木町で、
「ベッカライ ベルク」という名前で店を開いている。
日曜だけここでパンを焼く。
どちらのパンも食べたことがあるが、
森の中で焼くパンが好きだ。
勝手な想像だが、
ここでオーナー夫婦は、
より自由にパンを焼いている気がする。
3個ほどのつもりが、あちこちに手が伸びる。
ベーグルにも目がとまる。
結局、たくさん買い込んだ。
「平日は、盛岡のベッカライベルクですよね。」
「はい、日曜だけここです。」
「休みがないですね~」
「いえ、月曜日は休んでますよ。」
と奥さん。
次のお客さんがやってきた。
そして別の車も停まった。
パンを抱えて麦童を後にした。
今度は「麦セット」を食べてみよう。
思い立ったら早い方がいい。
待てよ、雪の中で温かいコーンポタージュに
フレンチトーストと珈琲もいい。
車に戻り、ふと思った。
前に聞いた時、
材木町で月曜もパンを並べていた気がする。
記憶に自信はないが、そろそろ休息日を設けたのかもしれない。
でも勘違いかな?
盛岡では続々とお客さん。
忙しそうな奥さんもここでは、動作がゆっくりに見えた。
八幡平市松尾寄木1-668-260
ブロードヒュッテ 麦童
盛岡市材木町
ベッカライベルク