盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます、音量に注意>

 

 

利久庵で蕎麦を食べ西和賀ドライブ。

いつもの秋田の横手市にまで通ずる道ではなく東寄りの道を。

初めての道はどこかわくわく。

午後の陽射しを遮る杉木立。

 

 

窓を半分ほど下げた。

呼吸が深くなる。

ふと思い出した。

免許取りたての頃、車の窓はくるくると回して開けた。

信号のない交差点では右折に戸惑った。

あれから何十万キロ走ったのだろう。

つきあってもらった車が次々と浮かんでは消えた。

 

 

この辺りは11月にもなれば雪が降り出し、

12月の半ばには積もり出すだろう。

昨年のその頃、西和賀に向かってみた。

山伏トンネルを抜けた途端、昼過ぎなのに暗かった。

走るほどに雪は激しく、ワイパーは重くなる。

フロントの両端に雪が凍ってへばりつく。

タイヤはスタッドレスだったが湿った雪で落ち着かない。

雪煙をたててすれ違った除雪のグレーダー。

途中で引き返すことにした。

 

 

西和賀の沢内に一組限定の宿、

B&BのKatasumi(カタスミ)がある。

もう数年前の話だ。

朝昼と夕方に鳴るチャイムに合わせ、

歌う様に吠えるワンちゃんがいた。

SNSの動画で見つけた。

年をとり歩くことができなくなり、リヤカーで散歩。

それでも曲に合わせて吠える。

しだいに声が小さくなっていった。

動けなくなってもチャイムに合せて微かな一声を上げ逝ってしまった。

 

その後、溢れる情報の中に埋もれ、探せなかった。

場所も忘れてしまった。

2年ぐらいが過ぎ、沢内に美味しいベーグルがあるという情報。

調べるとカタスミの記事の中にワンちゃんの動画。

最後まで歌っていたワンちゃんは、

カタスミで暮らしていたのだ。

残雪の頃、カタスミを訪れ、

オーナー夫妻のガイドで初めてのスノーシュー。

 

 

 

 

春が近づいた雪原で飲んだ珈琲は、とても美味しかった。

木でできた三日月形のホルダーに紙のカップをカチッとはめる。

これを作っているノッカをオーナー夫妻に教えてもらい後日、訪ねた。

今も時々使っている。

ノッカでは木工制作のほか、

奥さんがアロマオイル、ハーブティーなどで

一人一人の心身の不調に丁寧に向き合う「草薬庵」を開いた。

また、ノッカにも行ってみたい。

その日は会えなかったが、カタスミにいつか冬に泊ってみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

Once Upon A Time In The West (Ennio Morricone) cover 

Piano: Adi Mehic  Vocals: Steffi Vertriest

 


横手にまで通じる街道に合流すると、すぐ湯田温泉峡。

 

 

この通りにある「お菓子処 たかはし」。

西和賀名物の「西わらび餅」で知られる。

町内には、工藤菓子店とわらび餅かふぇ団平もある。

 

 

 

 

 

 

奥さんの笑顔で迎えられる。

忙しい中、旦那さんも顔を出してくれた。

何年前のことだろう。

旧盆の頃の温泉街で鬼剣舞を見て写真をSNSにアップした。

すると奥さんからコメント。

「後ろで笛を吹いているのが私で、息子も舞ってました。

温泉街でお菓子屋をやっています。

いつか、わらび餅を食べてみて下さい。」

一週間後に訪れ、美味しさに感動し毎年2度は食べている。

あの頃、学生だった娘さんは盛岡のテレビ局で活躍中だ。

 

 

その日もよもやま話。

カメムシの多い年は雪が深いと言う。

もっと西和賀が知られて欲しい事など話は尽きない。

 

 

「出来たての西わらび餅を食べてみて下さい。」

と言われた。

そして、いつもの様に抹茶のフィナンシェなどを買い店を後にした。

湯田の方に走り出したが、「出来たて」が気になる。

広い駐車場があり車を停め、袋から取り出した。

 

 

 

 

 

 

西わらびの根から5%ほどしかとれない希少な本わらび粉。

これを使って作る「西わらび餅」。

すべて、ひとつひとつ手づくりで作る。

 

箱を開け、包みをゆっくりと開いた。

きな粉が吹いている。

そうか、奥さんが話していた冷凍とは違う出来たての姿。

 

 

お菓子ばしで一つ。

プルンと揺れる。

微風にきな粉が飛びそうだ。

口に入れると、透明感のある仄かな甘味を残して消えた。

もう一つ食べる。

優雅なお菓子だ。

テレビの大河ドラマを思い出した。

これを一条天皇と十二単の中宮が食べたら、

幸せそうに微笑むだろう。

どれ、ともう一つ。

 

 

ついでに抹茶のフィナンシェも一つ。

袋を開けると抹茶の香り。

ひと口食べれば、抹茶を飲み終えた気になる。

とにかく抹茶の味が濃いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

気がつけば、陽は傾き出していた。

慌てて残りをしまった。

さて、もう少し西和賀を走ろう。

やはり西和賀巡りは一日では全く足りない。

 

 

 

 

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