盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
一気に深まりゆく秋。
陽の光は優しく眩く。
少し冷たい息を深く吸い込む。
車を停めた。
道端で覗くファインダー越しの秋の夕暮れ。
広々とした雫石を走り、今度は網張の方へ。
目指したのはありね山荘。
温泉が恋しい季節。
Wish You Were Here · Bee Gees
奥羽山脈に陽が落ちた。
今日の最後の陽光は西の空を染めた。
高い雲は紅く、低い雲は黒いまま。
ちょっと不気味な空に、雨が降り続く自然の驚異を思い出す。
南西の空は穏やかでほっとした。
いつもの様に四肢を伸ばして温まった。
指や足の先から疲れがお湯に溶けていく様だった。
盛岡に戻って来る頃には、食べる気満々。
街中まで我慢できない。
思い出したバドミントン仲間の話。
「前潟イオンの中に味噌ラーメンが美味しい店がある」
行ってみよう。
飲食街の端。
「蔵出し味噌 麺場田所商店」
ここに違いない。
その人が「信州みそが好きだ」と言っていた。
一緒に食べた事はないが、味の好みが似ている。
話を聞いていると、その店に行きたくなる。
一瞬、ショッピングセンターの中にある事を忘れる店の中。
いい雰囲気だ。
カウンターとボックス席がある。
「信州味噌肉ネギらーめん」。
やはり、来て正解!
山菜のわらびがのっている。
この感じ、好きだ!
味噌とたっぷりの白髪ネギ。
入れる前にひと口。
ピリ辛が小気味いい。
味噌には栄養があり、体にいいと聞く。
日本古来の調味料には体の芯に働きかける何かがありそうだ。
漂う味噌とネギの香り。
待ち構えていた胃袋へ。
やはり、肌寒くなり味噌ラーメンの季節だ。
温泉帰りに食べれば、幸せ気分。
スープは、やや淡白な見かけで、まろやかな味。
スープ、麺と具のいいバランス。
あっという間に完食。
メニューを見るとトッピングも色々あった。
数日後、体育館で教えてくれた人と会った。
アップをとりながら話した。
「でしょ!何味噌にしたの」
「信州味噌」
「美味しいよね」
あちこちの店の美味しい物の話が続く。
「ずいぶん、あちこちで食べてますよね」と言うと、
すかさず、
「だって、今、美味しい物を食べていると幸せ」
「なるほど」
「今のうちに、あれ食べたいと思ったら食べなくちゃ」
シニア世代は、若い人よりアクティブなのかもしれない。
特に食べ物については。
そして、日本は平和だと思った。