盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
夕方から花巻に向かった。
着く時間が7時半ぐらいなので時間はたっぷり。
途中、夕飯を食べよう。
盛岡から国道4号線の東側の国道396号線を南下。
田圃は稲穂が垂れだしている。
つい先日まで、テレビでは米がないと騒いでいた。
もうすぐ新米の季節。
南に走りながら「百壱(ひゃくいち)楠(くすのき)」を思い出した。
3年ぶりに、またバドミントンを始めようと思い、
まずは初心者のクラブを探した。
あるクラブを見つけた。
体育館に7時を目指して行く。
その途中、よくここで夕飯を食べた。
ブランクは思っていたより体にきいた。
足が出ない、空振り、羽が飛ばない、
挙句の果ては途中で足がつる。
それでも週に1、2回通った。
半年ぐらい経っても時々深夜に足がつり、目が覚めた。
1年が過ぎ、体もだいぶ動く様になった。
徐々に戻ってきたものの、今度は2度の入院。
人生なかなか思い通りにはならない。
I Think of You · Scott Hamilton
<音楽が流れます、音量に注意>
昨年の秋に退院し、冬からラケットを握った。
今は昔の仲間に混じりゲームを楽しんでいる。
10年前と比べれば、年を重ねた分衰える。
その頃に戻ることはない。
今のプレーで十分なのだが、もっと進化したい。
久し振りに暖簾を潜った。
なんだか懐かしい。
まず、揚げたてのさつま揚げ。
ここの名物の一つ。
サクサクの中は熱々。
レモンを絞り、ゆっくり楽しむ。
中が魚のすり身とは思えない美味しさ。
10年ぐらい前、鹿児島で食べた茶褐色のさつま揚げは美味しかった。
発祥が薩摩だと思っていた。
さつま揚げは、昔は魚の貯蔵がきかなかったので、
すりみにして焼いて保存できるようにした。
歴史は古く平安時代には竹に巻いて焼いた。
今の竹輪の様な物だった。
江戸時代になると、沖縄では既に油で揚げる調理法が中国から伝来。
既に魚のすり身を揚げていた。
それが薩摩に伝わり、江戸へ。
さつま揚げと呼ばれたと聞いた。
百壱 楠のさつまあげは、
品があり、あっさりとしていくらでも食べられる。
一緒の人は、とろろ蕎麦。
たっぷりのとろろに喜んでいる。
この店は、もう20年。
名前の由来がメニューに書いてあった。
よい素材を多くの人の手間「百」をかけ、
ひとりの手間「壱」の一つひとつに手を抜かず大切に使う。
「百壱」は、その事を意味する。
始めた店が長い年月を経て大樹になり、力強く大地に根が張る。
その想いを屋号とした。
吟味した食材を手間をかけ、
石臼で蕎麦を挽く手打ちのそばを丁寧に作る。
それで「百壱 楠」。
私は2種の蕎麦の天ざる。
「黒打ちそば」と「並打ちそば」だ。
まずは並打ちそば。
風味豊かな奇麗なそばで喉越しがいい。
次に天ぷら。
サクサク感が強く、美味しい。
黒打ちは、並打ちそばにそばの実の甘皮を加える。
これで、香りと風味を引き立てている。
なんとういうこだわり。
どちらもコシが強いそばで、
つゆをつけなくても美味しい。
せいろは底が深く、見た目よりたっぷり。
2種のそばを味わう贅沢。
そば湯を飲みながら向かいの人に言われた。
「千葉さん、そば好きですよね~」
「はい!」と力を込めて答えた。
歳を重ねていくうちにそば好きになった。
今では毎日でもいい、そんな気がする。
百壱楠
〒020-0401 岩手県盛岡市手代森14地割