盛岡食いしん爺日記

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雫石町からの帰りは、珍しく大きく遠回り。

この頃、時間に余裕があるせいだろうか。

雫石から岩手山麓の方へ。

岩手山の手前の鞍掛山は宮沢賢治ゆかりの地。

詩碑も建っている。

山麓に広がる大地は、

宮沢賢治の童話、盗森(ぬすともり)の舞台になった。

そこから東へ。

物悲しい伝説のある春子谷地の近くを通り、滝沢市柳沢へ。

ぽつぽつと家が見え始める辺りに岩手山麓自然工房「東北工芸社」がある。

少し小径に入ると、南に向日葵、北側に紫陽花が咲いていた。

 

 

一緒に咲く花だろうか。

 

 

 

And I Love You So · Perry Como

 

少し進んで駐車場に停めた。

東北工芸社は、塗の工芸品を作っている。

とても味わい深い作品が並ぶ。

以前、小ぶりの椀やスプーンを買った。

使うほどに表情を変えてくる。

スプーンは軽く持ちやすい。

 

 

積み上げられた木材を見て思った。

「何年ぶりだろう」

三度目ぐらいに来た時、奥さんから旦那さんが制作し、

塗は奥さんと聞いた。

その後来た時には小さなカフェを娘さんが開いていた。

今日は開いているだろうか。

閉まっている覚悟をしてゆっくり近づく。

 

 

 

暖簾も下がり、明かりが灯り、看板も出ていた。

周囲の緑は家を包むようだ。

小さな木々はだいぶ育っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し配置が変わった気がするが、雰囲気は前のまま。

 

 

壁の貼り紙に「インドネシアのバリコーヒー始めました。」

飲んでみたくなった。

しばらくして大きな木のテーブルに置かれたカップとソーサー。

手に馴染むスプーンも蓋も優しい手触り。

 

 

娘さんが説明してくれた。

とても細かな粉末になっていてドリップではなく、

そのままカップに入れ、お湯を注ぐ。

粉が底に沈むのを待って飲む。

傍らに置かれた砂時計。

窓に映える緑を見て待つ。

御夫婦の今を知りたくて

「旦那さんが作って奥さんが塗でしたよね。」

と聞いてみた。

すると奥さんは亡くなっていた。

漆の話を聞いてから、何年が過ぎたのだろう。

今は旦那さんがひとりで作るので、

半年ほど待たせてしまうこともあるそうだ。

 

 

チーズケーキ。

しっとりとしてキビ糖を使い優しい味。

 

 

 

 

 

 

バリ珈琲の味は、ココアと珈琲の間の感じ。

私は好きな味。

お代わりもできる。

飲み終わると底に粉が溜まる。

ココアの粉末をお湯で溶いた感じだ。

どろっとした液体にお湯を注いでもらう。

少し薄い感じがするが、これがまた美味しい。

 

 

棚に展示してある工芸品。

奥さんが話していた。

自然の木の特性を活かし、

合成の塗料などを使わず、

木と漆だけで作るそうだ。

塗っては余分な漆を拭き、乾かしまた塗るの繰り返し。

「吹き漆」という工法らしい。

栃の木は、柔らかく軽い。

漆が染込みやすく表面が漆と一体となり、

器はとても丈夫になる。

年輪の映える栗の木なども使うそうだが、栃が好きなんだと思った。

それで「とちの実」。

あの時、旦那さんの工房も見せてもらった。

また、話を聞けるとばかり思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品を見ていると、どうしても奥さんの顔が浮かぶ。

今日は様子見のつもりが、ゆっくりしてしまった。

ちょっとっと切ないが、来てよかったと思った帰り道。

 

 

 

 

 

 

 

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