盛岡食いしん爺日記
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若かった頃、ある方に何度か洋食をご馳走になった。
洋食と書くと、大正時代の宮沢賢治さんの話の様だが、
私が二十代後半の事だ。
昭和の末期、まだ盛岡の街のあちこちから岩手山が見えた。
盛岡駅前の金宝堂は、
大正12年の創業で101年の歴史がある。
La vie en rose · Louis Armstrong
コンソメスープも美味しい。
ほっとする味で、もっと飲みたくなる。
シンプルだけに難しいのだろう。
金宝堂と言えば「とんてき」。
肉を焼くのでポークソテーとの一種なのだろうが、
私にとって「とんてき」は、別の食べ物。
やわらかい豚肉のロース、甘い玉ねぎにカレー風味のスパイシーなソース。
ご飯がすすむ。
シンプルな料理に思えるが深い味わいの一品。
ナイフとフォークで切り、箸で食べる。
洋食好きだった宮沢賢治さんも食べたのだろうか?
金宝堂は、地元の食材の美味しさをひきだす。
そして街の人に提供する。
地域と共に歴史を歩んできた。
老舗とは、たいていそうなんだろう。
ハンバーグも美味しいのです。
存分に肉の旨味を味わえる。
歴史を刻んできた「安定のソース」。
今は地下になっている。
道路から覗き込み行き過ぎる人も見かける。
一度、味を知ったら虜になるのに残念。
店を出ると駅前は暗くなっていた。
シンプルに白地に黒の文字。
看板が歴史を誇る様に灯っていた。
あ~美味しかった。
いつまでも歴史を刻んで欲しい店の一つ「金宝堂」。