盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます、音量に注意してください。>

 

 

 

時々会っている友達に電話した。

十数年前に故郷に戻って来た同級生。

今は勤めも辞め、少しだけ畑や果樹をやっている。

近頃、よく話題になる暖冬の話に。

「ばっけ(ふきのとう)が出てたよ」

「へぇ~、どのくらい早いんだろ」と聞くと、

「普通だと3月下旬だな」

「食べてみた?」

「雪が溶けてから顔を出すのと違うね、なんだか味気なかったよ」

「気のせいじゃないか?」

「それもあるかもね」

2人で笑った。

慌てて勘違いして出て来たばっけは、

苦みが足りないと言っていた。

今月の下旬か3月の上旬に会うことにした。

時計は1時になる。

今日のランチの場所は決めていた。

 

 

 

先日、店の前を車でとおり、

寄りたかったが、別の待合わせが迫っていた。

久し振りだ。

ひとりで店を切り盛りする奥さんは元気だろうか。

 

 

 

 

If You Love Me · Melody Gardot

<音楽が流れます、音量に注意>

 

 

入ると奥さんが「あら!」

「どうしてるかと思ってました~」

 

 

 

お客さんに支那麺を出しては、

カウンター越しに私の前に立つ。

「忙しくしてたんでしょ」

しばらく体調が悪かったことや

溜まった仕事に追われたことを話す。

次のお客さんが来てまた麺を茹でる。

 

 

 

サービスのご飯を置きながら、

また話す。

 

 

行儀悪く食べながら答える。

「でも、元気そうでよかった」

頷いては肉麺を食べる。

またお客さんが来た。

 

 

透き通ったスープ。

変わらない味だ。

 

 

チャーシューは、箸で簡単にちぎれる。

肉のいいいところが凝縮され、ほんのり甘い。

いつか話していた。

「注文ばかりつけるので、肉屋さんに嫌われてると思う。」

と笑っていた。

 

 

早くに逝ってしまった旦那さんと作り上げた味。

今はひとりで守り続けている。

ひところは、タレントが旨いと言ったことで、

半年以上も行列の日が続いた。

収まったものの、お客さんは途切れない。

出汁の味を活かした美味しいスープが絡んだ麺。

いつも数分で完食し、スープも飲み干してしまう。

 

 

食べ終わると、「どうでしたか?」

変わらずに後味もよく、美味しかったと言った。

「変わったところがあったら、言ってくださいね。」

と真剣な眼差し。

「はい、勿論」と、立ち上がった。

一昨日、麺を茹でながら、

ふと、どうしているのかなと思ったそうだ。

以心伝心と笑ってはすの屋を後にした。

すれ違いにお客さんが入って行った。

守り続けるたい物がある人生って、いいものだ。

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 グルメブログへにほんブログ村

にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 盛岡情報へにほんブログ村

にほんブログ村 スイーツブログへにほんブログ村

にほんブログ村 グルメブログ 東北食べ歩きへにほんブログ村

美味しいものなんでも大好きグルメなコミュ グルメブログ・テーマ
美味しいものなんでも大好きグルメなコミュ