盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
街を冷たい空気が流れる。
北国の晩秋は冬の始まり。
明朝の最低気温はひとけたの予報。
そろそろ厚手のコートやダウンのチェック。
スタッドレスタイヤ、滑りにくいブーツの準備。
コートの襟を立てて直利庵へ向かった。
そろそろ新そばと冬のかわりそばの始まる頃。
宮田 大 Dai Miyata/ポンセ Ponce-Estrellita :エストレリータ
<音楽が流れます、音量に注意>
店に入って何を食べようかと迷う店の一つ「直利庵」。
白い壁の貼り紙もチェック。
お~ そそられる松茸そばもあったが、
高級品だけにいい値段。
女将さんの話では、
今年はダメかと思っていたキノコが、
どっと出たそうだ。
今年は、まだ松茸そばを食べていない。
「松茸の菊花浸し」があるという。
即反応した。
それと「なすの青なんばん炒め」も。
ピリッと小気味のいい辛味。
でも後を引かないので、次々食べてしまう。
う~ん、ご飯が欲しくなる。
きっと日本酒にはぴったりだろう。
さすが直利庵!
小ぶりの美味しそうな松茸が香り、菊の花に包まれている。
見惚れてしまう。
松茸の食感、口の中に広がる香り。
たくさん入っている。
菊の花もいい仕事をしているなぁ~
秋の味覚を堪能。
出汁の按配がよく、汁を飲んでしまったぁ~
子持ちの鮎そばの登場!
一昨年に初めて食べた。
岩魚の塩焼きは好きだが川魚はあまり食べない。
子どもの頃、父は2時間かけて通勤していた時期がある。
休みの日も普段通り早朝に起き、自転車に乗り釣りに行く。
たまにトイレに起きた時、
出かける父と出くわすと、たいそうご機嫌の様子。
愛想笑いして自転車を押して行った。
8時前には帰って来るのだが、あまり大漁の記憶がない。
時々さばかれた川魚が食卓に並ぶ。
大きさも数も4人家族には中途半端だった。
夏の鮎の頃、2匹ほどでもニコニコして帰ってきた。
直利庵の子持ち鮎そばは逸品だと思う。
頭から尻尾まで柔らかい。
臭味もなく一度嚙めばサクサクとこぼれていく。
ほのかに鮎の苦み。
どうしたら型崩れもなく、こんな食感に仕上がるのだろう。
下に敷かれた海苔と上にのる茗荷の千切りもいい。
そばは、新そば!
風味豊かで美味しい~
鮎の産卵の時期は9月から12月の初めまで続くらしい。
夏の鮎とはまた違う「落ち鮎」。
子持ちの鮎は、上品なシシャモのようだ。
気がつくと食べながら何度も頷いていた。
作り手に感謝したくなる美味しさ。
「今日も美味しくいただきました!」
直利庵のホームページには、
「創業明治17年「いつも変らぬ味に地元産の風味を大切に」を心がけています。四季の移ろいの中で、みちのくの季節山海の便りもお届けしている「季節の変わりそば」も好評です。」と書いてあった。
これから、たちこ(しらこ)そば、牡蠣そばと直利庵の旬の味が続く。
楽しみだ。