盛岡食いしん爺日記
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盛岡から花巻に行く途中、
少し時間に余裕があったので寄り道。
お盆も忙しく、墓参りもさっぱり。
久し振りだ。
親不孝極まりない。
父方の祖父母と両親が眠る。
「月に星」の紋はシンプルで気に入っている。
Lovers · Fausto Papetti
その日、花巻で仕事。
場所は「茶寮かだん」。
仕事の中で宮沢賢治さんが妹シゲさんの雛壇の前で、
遊んだだろう小皿やもう一人の妹クニさんのオルガンなどの話が出た。
子供の頃の賢治さんの顔が少しだけ浮かんだ。
そのせいか、墓参りのせいか、
盛岡への帰り道、車の中で昔のことを思い出した。
昭和の真っただ中の夕暮れ。
家々の日が灯り始める頃、煙突から白い煙。
今も変わらないのは、カラスの鳴き声ぐらいだろう。
子どもの頃、丘の中腹に住んでいたので、
出前は覚悟がいった。
生そばや中華そばは、汁を吸って麺が極太になった。
鮨は大丈夫だったが、滅多に食べなかった。
あの頃は、鮨と言えば母の作る太巻きだった。
母の実家は裕福で一家で行くと、
時々、祖父が叔母に「鮨でもとんなさい」とお札を渡す。
母の実家は街中で、辺りに何軒か鮨屋があった。
大きな鮨桶が二つ並ぶ。
一つは大人たち祖父母と叔父叔母と私の両親。
もう一つは、孫四人。
祖父は自ら端っこに座り、みんなにお茶を淹れニコニコしている。
私は、猛然と食べ始める。
母の視線にペースを落とす。
しかし、大きな桶にネタは人数分。
従姉の嫌いなものをもらっていた。
それでも、一番早く箸を置く。
するとお祖父ちゃんが、「よっちゃん、これ食べなさい」
嬉しかったなあ~
でも、従兄の視線が気になったものだ。
今宵は、三寿司の出前にした。
盛岡で人気の鮨屋だ。
鮪、小肌、サーモンなとにホタテもある。
マグロは脂がのり、美味しい。
いくらも艶々だ。
巻物は大好きだ。
海老も甘かった。
やはり盛岡で人気の鮨屋だけはあるなあ~
食べて納得。
三寿司の上と並みの組合せ。
父に連れられて行った鮨屋のことなど、
思い出に浸りながら食べた。
鮨は自分にとって好きな物であり、
色々な思い出も多く、これからも自分にとって大切な食べ物だ。
三寿司 菜園店
TEL 019-623-5500 盛岡市菜園2-5-3