盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
35度前後の日が続く。
確か北国のお盆過ぎには、朝夕の風に腕を擦った。
もう1週間もすれば9月。
これが当たり前になっていくのだろうか。
エアコンのない頃、どうしていたっけ?
誰かの家では井戸の水でスイカを冷やし、
麦わら帽子でおにやんまを追いかけた。
打ち水に縁側の風鈴。
浴衣で線香花火。
学生時代は、東京の6月の暑さに慣れなかった。
歩いてはすぐ喫茶店でアイスコーヒー。
アスファルトの陽炎。
寝つかれず夜明けまで本を読んだ。
アパートの窓から遥かに見えた富士山。
Gipsy Kings Inspiration
<音楽が流れますも音量に注意>
その日は朝から病院。
やたら混んでいた。
一応、予約というか、予定された時間があるが、
とうに1時間半は過ぎていた。
待合の椅子に座っていると涼しい風。
エアコンが無かった時代とは暑さが違う。
そんな事を考えていたら、名前を呼ばれた。
検査表を渡され3か所を回る。
また戻って窓口に書類を渡す。
診察を終え、近くの調剤薬局でまた待つ。
薬を受け取って3時近かった。
大きな病院に通うのは一日仕事だ。
外を歩くと腕が痛かった。
真夏の太陽は悪魔の様に見えた。
暇に任せて昔の夏を考えていたせいだろうか、
「冷麦」が頭に浮かんだ。
しかし、なかなか食べられる店が浮かばない。
子どもの頃は、飽き飽きするほど食べていたのに。
本町の通りに出て「橋本屋」に向かった。
創業1618年の老舗中の老舗。
始めた場所が中津川の袂にあったので「橋本屋」。
いったい何代目なんだろう。
いつも浮かぶのは、
小上がりで酒を飲み仕上げに蕎麦を食べてる丁髷姿。
江戸時代の夏は、どれほどの暑さだったのだろう。
今日はずっと夏を遡ってばかり。
お~来た!
去年も食べたのに硝子の器を思い描いていた。
涼し気な冷麦。
ミカンとメロンは、最後にしよう。
めかぶも単品で頼んだ。
おくら、うずらの玉子とおかかがめかぶを取り巻く。
なるほどねばねばの共演。
よくかき混ぜて一気に食べた。
スーパーで、素麺はよく見かけるが、
冷麦はあまり目立たない。
喉越しも丁度よく、氷に冷やされて美味しい~
夏の暑さを忘れた~
素麺と冷麦の違いは何だろう。
調べてみたら、JAS(日本農林規格)の規格の話が載っていた。
違いは太さらしい。
素麺は1.3ミリ未満。
手延べ干しめんは、直径1.7ミリ未満まで。
それ以上太くなるとうどん。
それぞれ、小麦粉、水、塩と油を使う。
冷麦は油を使わなかったが、製法によっては使うこともあるそうだ。
調べてもロマンが無いと近頃はスマホの手を止めてしまう~
昔、水色や赤の麺が2,3本入っていたなあ~
前に調べた時、それが冷麦のしるしと書いてあった気がする。
おそらく太さによって麺に絡むつゆが違うだろう。
そば屋では、きっと濃さを変えているのかもしれない。
冷麦は氷がよく似合う。
辺りを見回す。
ほかのお客さんは、冷風麺やざるそば。
日本の夏だなあ~
美味しかった。