盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます、音量に注意>

 

 

秋田県湯沢市の稲庭へ。

八代目佐藤養助商店総本店。

 

 

その道路向かいにある天ぷら「正心庵」。

駐車場は共有だ。

 

 

 

 

GIUSEPPE TARTINI Sonata ' El trino del Diablo'

 

 

久し振りで来た。

八代目 佐藤養助商店の系列店。

 

 

平成三十年にオープン。

 

 

 

 

カウンターに座り、

仕事を見ながらいただく天ぷらと稲庭うどん。

一枚板を前に向かう椅子。

とても座り心地がいい。

腰と背中がしっかりはまる。

地元の家具屋で作ってもらうそうだ。

店主は地元の物をいかんなく使う。

 

 

床も滑らない。

トイレの壁の板は杉が香る。

先付け。

しっかり冷やされた海の幸と地元の野菜の共演。

 

 

器が空になると同時に揚がった地元のオクラ。

 

 

オクラを初めて甘く感じた。

噛むと、衣が香りまで閉じ込めていたことに気づく。

 

 

ささげと一尾目の海老。

 

 

八百年の歴史を誇る地元の川蓮(かわつら)漆器の皿の上で、

今にも海老が飛び跳ねそう。

ささげと交互に食べてみた。

美味しさがまたひとしお。

「塩でどうぞ」と言ってくれるが、何もつけなくても美味しい。

海老は、レアに近いが火は通っている。

ころもを忘れ、甘い海老を食べている感じ。

 

 

椎茸も地物。

美味しい~

そのまま焼いたより、風味が閉じ込められ、

口の中で一気に飛び出す。

どれも取り皿から食材の香りが立つ。

「あぶらは何を使うんですか?」

白絞油とかごま油などを併せているらしい。

五感が忙しく、肝心の言葉を覚えていない。

 

 

平目。

まるで唐揚げのように薄衣。

「魚も野菜も物によって水分量が違うので衣を使い分けます。」

同じ野菜でも、とれた日によって違うらしい。

 

 

茨城産の蓮根。

断面が活帆立の様だ。

細かく筋が入っている。

口の中で零れていく。

「この季節は、食感を味わいます。」

小気味のよい食感。

 

 

二つ目の先付け。

雲丹と枝豆の豆腐。

海と大地の物の共演。

山葵はしっかり仕事している。

 

 

大葉に包まれた鯛。

箸で持つと、まず大葉が香る。

鯛は口の中でほろほろと溶けていく。

幸せだ~

 

 

 

 

茄子にも驚かされた。

オブラートのようなころもは、なかなか剥がれない。

滲み出る茄子のジューシーな汁。

 

 

 

 

次に稲庭うどん。

勿論佐藤養助商店製。

 

 

ここで食べると、なお一層の艶々。

素晴らしい喉越し。

 

 

 

 

山芋が出てきた。

サクサク感と甘味。

 

 

前は苦手だった胡麻だれを好きになっている。

胡麻の風味がコシがあり艶々の稲庭うどんとよく合う。

 

 

茗荷と二尾目の海老。

「海老はかために揚げています。」

驚くことばかり。

 

食材ごとに変わるころもは、

軽やかで口の中で消えてしまい、

野菜や魚介の持つ味を一層際立たせる。

 

 

今度は塩で食べてみた。

カリッとした海老は、しっぽの先まで美味。

旬の茗荷のほのかな苦味。

海老の甘さとの対比がいい。

 

 

 

 

終わりは薩摩芋。

低温で時間をかけて揚げる。

どのぐらいの時間がかかるのだろう。

聞いてみた。

「お客様の天ぷらを始めた時からなんです。」

そうだったのか!

「東京の山の上ホテルでは、十センチ近い薩摩芋がありますよね。」

あれを食べてみたいと言うと、

「はい、時間がかかりますので夜に出させていただいてます。」

一人で食べる人、二、三人で一本とか色々のようだ。

 

 

ほくほくして品のよい甘味。

ころもは風味をしっかり閉じ込める。

天ぷらとは凄い調理法なのかもしれない。

繊細さといい、和食の素晴らしさの一つなんだろう。

なるほど薩摩芋は、〆のスイーツだなあ~

 

 

 

 

 

店主は、修業は大変だったのでは、とよく聞かれるそうだ。

実は私も聞いた。

寮生活で毎日始発で終電。

それでも辛いと思ったことは全く無く、いつも楽しかったという。

兄弟子たちは休みの日、美味しい物を食べに連れて行ってくれた。

そう話す、この方の目はいつも微笑んでいる。

きっと好奇心が強く前を見つめる人なんだ。

 

2度目に行った時、

「昨年の夏、今頃いらっしゃいましたよね、ありがとうございます。」

と言われた。

3度目は「いつもありがとうございます。」

「今日も感激しました」と言い、ゆっくり正心庵を出た。

美味しくて幸福なひと時だった。

山里にある正心庵は、みちのくの名店だと思う。

 

 

 

天ぷら 正心庵

秋田県湯沢市稲庭町字稲庭81

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 

 

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