盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
7月19日、午後2時過ぎの盛岡市中津川。
街の中を流れる中津川。
普段は穏やかな姿を見せている。
昨夜、会議の後の懇親会が終わり、
車まで50メートルほど歩いたが、膝から下がびしょ濡れ。
肩から下げたカバンも半分色が変わっていた。
翌日の午後には小雨になったが、まだ安心はできない。
悲しいことに秋田市はとんでもないことになっている。
川の濁流を見ていると思い出す。
子どもの頃、トタン屋根を叩く様な雨が降ると、
母に言われて枕元に着替えとランドセルを置いて寝た。
一関ではアイオン・カスリンと2度大水害に襲われた。
家族全員が2階の屋根裏まで上ったそうだ。
闇の中から、濁流や建物が何かに衝突する轟音が聞こえたそうだ。
母の真剣な眼差しに黙って聞いていた。
I Wish You Love · Rod Stewart · Chris Botti
中津川からほど近い所にある「はすの屋」へ。
この旗に書いてある「冷たい支那麺」が食べたくなった。
昨年の暮れから大混雑、雪の降る日も行列。
テレビでタレントが美味しいと言ったことが始まりらしい。
並ぶ人が途切れなかった。
ゴールデンウイークの頃も混んでいた。
長いブームだった。
ようやく6月あたりから落ち着いてきた。
縄のれんを潜った。
午後1時40分に入ると、
女性のお客さんと入れ違い。
カウンターに座った。
奥さんが「あら、いらっしやいませ」。
「こんにちは、ご無沙汰してました」
話しているとお客さんが来た。
「冷たい支那麺を」と言うと、
笑って「自販機です」。
あ~そうだった。
この前来た時に言われたのだ。
冷たい支那麺とは、ひと言で言うと冷製の中華そば。
「ご飯はどうします?」
「お願いします!」
レンゲでスープを飲む。
「美味しい~」
続いて箸を持ち食べ始めると「ん?」
奥さんの視線。
「どうでしょう?」
「いつものとおり、美味しいです。」
「あ~よかった」とニコニコ。
でも、毎日全く同じにはならないという。
毎日、微妙に違うそうだ。
そのブレ幅を許容範囲に収めるのが大変らしい。
冷製のスープは、温かい支那麺とは全く違う。
温かい麺の箸でほろりと千切れるチャーシューもかなり違う。
口の中に入ってから溶けて肉の旨味が濃い感じ。
スープは、なおあっさりで気がつけば飲み干してしまった。
茹でた麺の洗いも手を抜かない。
それで艶々の綺麗な麺になる。
これは2杯いけるかも。(笑)
色々な話をしたいのだが、またお客さんが数人入ってきた。
今は、カウンター7席だけ。
立ち上がりひと言。
「ワンチャンと散歩してます?」
「はい、雨が上がると出かけてます。」
外に出て歩道の花壇に咲く花。
入る時は気づかなかった。
雨露に濡れて、一層綺麗な紅い花。
空を見上げるとまだ雲は低かった。
めん処 はすの屋
〒020-0885 岩手県盛岡市紺屋町2−20