盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
明治17年創業「直利庵」
Oscar Peterson Trio:The Girl From Ipanema
<音楽が出ます、音量に注意>
通年で食べられるが、
特に初夏になると、
味わいたくなるそばがある。
「オニオンそば」と決めて直利庵の暖簾を潜った。
新たまねぎオニオンそば。
かつお節の削り節、薄い花かつおを少し細かくした砕片(さいへん)。
ややこしいが、おかかと言えばわかりやすいだろうか。
とにもかくにも、一面盛り上がった花かつお。
いい香りがテーブルに漂う。
初めて食べた時は、
だいぶ前のことだが声をあげてしまったものだ。
隣のテーブルのカップルが、
明らかに見て何やら囁いている。
かき分けると新たまねぎが出てくる。
そばはまだ見えない。
箸で更に混ぜながら下からそばを掴む。
爽やかな酸味のあるつゆに新たまねぎの甘味と鰹節の旨味。
品のいいそばに絡んで美味しい~
老舗の味を守りながら、進化を続ける直利庵。
野菜そば、あゆそば、たちこそばに牡蠣そば。
山菜、きのこなど、
季節の味をそばとともに楽しませてくれる。
三十年以上通うそば屋は直利庵のほかに、
東家、やまや、中ノ橋通りの北田屋とあり、
400年の歴史を持つ橋本屋。
新しい蕎麦将軍などにも行く。
盛岡は、わんこそばで知られているが、そばの街。
そば好きな人達には各々お気に入りの店がある。
ちょっと大げさに言うと、
老舗が育んできたそば文化がある。
これは、ちょっとした盛岡の自慢だと思いながら箸を動かす。
あ~美味しい!
高野豆腐の煮物を頼んだら売切れ。
代わりにキュウリの浅漬け。
ワサビがきいて美味しい!
この小さなキュウリは、ある店で食べたことがある。
甘味がありくさみが少ない。
直利庵では山菜や牡蠣やたちこ(しらこ)にしても素晴らしい食材を
届けてくれる方がいるからこそ季節の味を出すことができる。
そんなことを女将さんが話していたことを思い出した。
その日も初夏を味わう満足の夕食になった。
肉、魚料理も好きだが、
そばは自分の暮らしの一部になっている。
直利庵