盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
ここに立つと、
神秘的な光景に心奪われる。
盛岡市玉山「生出湧口(おいでわっくつ)」。
こんこんと湧き出る水。
岩手山に降り積もった雪や雨。
水滴のひと粒一粒が地表から染み込み、
気の遠くなる時を経て辿り着く。
Film Noir · Scott Hallgren
樹々の間から姫神山が見える。
湧水の流れにのって藻が揺れる。
陽の光が水の中の水草に届く。
近くで見ていると、
水の中にいるような気がしてくる。
底の岩の裂け目から毎分45トン。
夏は冷たく、
冬には気温が下がり、
水面から水蒸気が立ちあがる。
いよいよ幻想的な世界。
絶滅危惧種の「品字藻(ヒンジモ)」や「キツネノカミソリ」の群落、
野生の「エビネ」の自生地でもある。
この湧水は昔から地域で利用され、
クレソンを栽培するハウスにも引き込まれている。
湧水は、生出川へと流れ大河北上川に流れ太平洋へ。
気の遠くなる自然の営み。
すぐ近くに、ユートランド姫神があり、
盛岡で最大規模の太陽光発電もある。
ここには7、8前から、
電気自動車が配備され充電スタンドもある。
自然の力のほんの少し、エネルギーとしていただく。
ある人を案内して回った。
岩手山麓の焼走りの方へ行くと、
圧倒的な質量で迫ってくる。
樹々のいっぽん一本が、
山肌を覆い尽くしているのが見える。
東八幡平の方へ回った。
まだ白樺の若葉が見られた。
「あっ!」
車を停め急いでカメラを持ったが間に合わなかった。
まだ子熊だろう。
こちらを見て道を横切り、
飛び跳ねるようにして坂を上った。
あっという間に、森に消えた。
小さな後ろ姿だけが、もやっと撮れただけ。
助手席の人は、
大自然と人間の共生を話していた。
東八幡平の温泉に入り、盛岡の街へ。
とんかつで有名な老舗洋食店「むら八」へ。
私は、初夏限定メニューの中から、
カレーうどんのセット。
佐藤養助商店の稲庭うどんが、むら八のカレーとコラボ。
エビフライとヒレカツも。
エビフライはしっぽまで食べた。
ヒレカツは言うまでもなく、美味しい。
出汁には比内鶏も使っているそうだ。
深いコクと喉ごしのいいうどん。
贅沢なカレーうどん。
一緒の人は、かつカレー。
カレーのルーをたっぷりご飯にかける。
その人はカツをひと口食べ、次にカレー。
美味しい物を食べながら今日見てきたことの話。
ふいに、その人はスイーツのメニューを手にとった。
ニコニコして言った。
「今度は、ランチに来てスイーツも食べてみたいですね~」。
私は、明日の朝食に「かつサンド」をテイクアウト。
テイクアウトの「かつサンド」が届いてをむら八を後にした。
家に帰ると「かつサンド」が気になって味見。
というのは、前と違って紙の箱に入っていた。
開けて見る。
誘惑にすぐ負けた。
ひとつで止まらず、二切れ食べてしまった。
ソースを含んだキャベツがパンとカツを一体にする。
肉の旨味と脂の甘味がたまらない。
まだ食べたいが、蓋を閉めた。
明日の朝の楽しみ。
おやすみなさい~
ハレの日の陽食屋 むら八
岩手県盛岡市上田4丁目 21-31